リベンジポルノ被害・相談 神奈川県内、5年間で300件超 県警警鐘「性的画像渡さないで」

神奈川県警本部

 元交際相手に自身の性的な画像をインターネット上で公開される「リベンジポルノ」の被害が神奈川県内でも後を絶たない。県警が認知した被害や相談の件数は2016~20年の5年間で300件超に上り、先月にはリベンジポルノ防止法違反などの疑いで男性2人が書類送検された。表面化していない被害も数多くあるとみられ、捜査関係者は「交際相手の要求に安易に応じて画像を渡すと、後々大変なことになる」と警鐘を鳴らす。

 県警人身安全対策課によると、県内のリベンジポルノの認知件数は16年65件、17年65件、18年37件、19年63件、20年76件と推移。この件数には、実際に被害が確認されたものだけではなく、性的画像を元交際相手に渡してしまった人が被害を恐れて相談に訪れたケースも含まれるという。一方で摘発件数は年間で数件にとどまっている。

 加賀町署は先月21日、同法違反などの疑いで、青森市の男性(47)と千葉県市川市の男性(34)を書類送検した。2人はそれぞれ、以前交際していた女性の性的画像をネット上の掲示板サイトに載せた疑いが持たれている。署員がサイバーパトロールで画像を見つけ、投稿した2人を割り出して摘発につなげた。

 署によると、両事件とも使われた画像は交際時に撮影されたものだった。女性2人は自身の性的画像がネット上にさらされていることを知らず、署からの連絡で初めて被害を認識した。

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