「経験」か「世代交代」か 長崎県知事選がスタート

マスク姿で気勢を上げる支援者ら=長崎市内

 長崎県政の次の4年間のリーダーを決める知事選の幕が上がった。「経験・実績」「世代交代」「ワクワク感」-。3人の候補は第一声でそれぞれの思いを熱く語り、コロナ禍の下、17日間の選挙戦に突入した。
 現職の中村法道候補(71)と新人の大石賢吾候補(39)は早朝、長崎市の諏訪神社でそれぞれ必勝祈願。控室で顔を合わせ、「頑張りましょう」と互いの健闘を誓い合った。
 中村氏は同市江戸町の出島表門橋公園で出発式。長崎、諫早、大村、島原、南島原5市の市長や、自民、立憲民主、国民民主各党の県市議らが顔をそろえた。中村氏は雇用創出や県内移住者増などの実績を挙げ、「さらなる施策の強化が求められている。今後4年間で課題解決に挑戦したい」と第一声。国民民主県連代表の西岡秀子衆院議員(長崎1区)も激励メッセージを寄せた。中村氏はコロナ対策に専念するため、県議らが乗った選挙カーを見送り、公務に戻った。
 大石氏は長崎市中心部の鉄橋に到着後、自民県議や支援者らと笑顔でグータッチ。出陣式で江真奈美選対本部長は「世代交代(が必要)。新しい風を吹かせて(長崎県を)変えよう」と呼び掛け、以前所属した社会人ラグビークラブの仲間も「(投票日の)ノーサイドまで勝利を信じ、みんなで前へ前へと進もう」と気勢を上げた。大石氏は「長崎県のために全力を尽くす」と意気込んだ。「大石」コールに背中を押されながら選挙カーに乗り込み、市内や周辺部を回った。
 新人の宮沢由彦候補(54)は同市元船町のプラタナス広場で第一声。石木ダム建設事業に反対する市民を中心に支援者約60人が集まった。宮沢氏は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念に「石木ダム建設事業がかなっているか」と疑問視。「長崎には良い面がたくさんある。発想を変えれば新しいやり方で楽しい地域にできる」と強調した。本田みえ選対長は「ワクワクする長崎をつくるため一生懸命頑張りたい」と述べ、選対顧問の嘉田由紀子参院議員(無所属、滋賀選挙区)も「知事を代えなければ長崎の問題は解決しない」と訴えた。


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