県内刑法犯、18年ぶり増 2021年3155件 知能犯8割増

 長崎県警は3日、2021年の県内犯罪概況(暫定値)を発表した。刑法犯認知件数は18年ぶりに増加し3155件(前年比12.7%増)、特に詐欺などの知能犯が8割以上増加した。県警刑事総務課は「結果を分析検証しながら必要な対策を検討し、安心安全な県にしたい」としている。
 知能犯の認知件数は389件(同83.5%増)、うち詐欺が365件(同85.3%増)を占めた。同課によると、ニセ電話詐欺被害が急増し、コロナ禍で持続化給付金の不正受給が相次ぎ、また長崎住吉郵便局(長崎市)の元局長による巨額詐欺事件の被害者が多かったことなどが影響している。
 粗暴犯のうち、脅迫の認知件数は36件(同56.5%増)。摘発した33件(同11件増)のうち配偶者や交際相手によるものが15件(同13件増)だった。配偶者や交際相手からのドメスティックバイオレンス(DV)の相談や通報も計455件(同29件増)で過去最多。県警人身安全対策課は「コロナが遠因となっているかもしれない」とした。
 虐待の疑いがあるとして県警が児童相談所に通告した18歳未満の子どもも、473人(同3人増)と過去最多だった。
 全体の約6割を占める窃盗犯の認知件数は1786件(同3.1%増)、うち自転車盗などの街頭犯罪は326件(同14%減)と減少した。一方、払い出し盗が48件(同108.7%増)と急増。ヤミ金事件やニセ電話詐欺の増加が原因とみられる。
 人口10万人当たりの犯罪率は240.3件、全国で3番目に低かった。


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