難航する労使交渉 メジャーリーグ機構側が連邦調停局に支援を要請

日本時間2月4日、メジャーリーグ機構が難航する労使交渉を進展させるために、連邦調停局に支援を要請していることが明らかになった。この措置が取られた場合、連邦調停局が新たな労使協定の締結に向けて、労使交渉を進展させる手助けをすることになる。「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチ記者によると、機構側は日本時間2月2日に提示された選手会の案について、対案をオファーする予定はないという。また、現時点では次回の労使交渉の予定も決まっていないようだ。

連邦調停局は過去にNFL(フットボール)、NHL(アイスホッケー)、MLS(サッカー)など、様々なスポーツにおける労使交渉の解決を支援した実績がある。MLSは2010年に連邦調停局の助けを借りて、労働停止を伴わずに労使交渉を解決。2012~13年のNHLのロックアウト、2012年のNFLのロックアウト、2014年のMLSのロックアウトも連邦調停局の支援によって解決された。問題を明らかにし、オープンな議論をすることによって、労使交渉を解決することや労使関係を改善する効果が期待できるという。

2022年に入ってから主要な問題に関する労使交渉が4度行われたものの、機構側は強硬な姿勢を崩しておらず、選手会の譲歩によってわずかな進展があったのみ。開始から2カ月以上が経過したロックアウトが終了する気配は全くない。たとえば、双方は年俸調停権取得前の選手の待遇を改善するためにボーナスプールを設けることで一致したものの、選手会が1億500万ドルを希望したのに対して、機構側の主張はわずか1000万ドル。選手会はその後、希望額を1億ドルに引き下げたが、依然として希望額には大きな開きがある。

さらに、選手会はスーパー2(=サービスタイム3年未満の上位選手に年俸調停権を与える制度)の対象者拡大と収益分配金の削減を求めているものの、機構側はこの2点を必須事項ではないと考えており、議論が進んでいない。他にも話し合いが必要なテーマは多く残されている。なお、機構側が連邦調停局に支援を要請したからといって、選手会は必ずしも調整に応じる必要はなく、今後の動向が注目される。

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