スウェーデンで先頭走者になるカッレ・ロバンペラ「準備を整えておく必要がある」/WRC

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのレギュラードライバーのひとりであるカッレ・ロバンペラ。2月24~27日に開催されるWRC世界ラリー選手権第2戦スウェーデンで、彼は競技初日に先頭走者としてラリーに臨むことになるため、事前に「準備を整えておく必要がある」と語った。

 2021年シーズンの第7戦エストニアで初優勝を飾り、シリーズ史上最年少優勝記録を更新した21歳のフィンランド人は、先月20~23日に行われた開幕戦モンテカルロを総合4位でフィニッシュした。なお、パワーステージ(最終SS17)で最速タイムを記録しボーナスの5ポイントを獲得したため、ドライバー選手権ではランキング3位となっている。

 このランキングにおいて、ロバンペラよりも上位につけている“ふたりのセバスチャン”、優勝したセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)と総合2位となったセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、ともに第2戦には出場しない。そのため北欧のスノーラリーに出場するドライバーの中でもっとも上位につけるロバンペラが、雪と氷に覆われたステージを切り開く役目を負うことになる。

 一般的にグラベル(未舗装路)やスノーラリーでは先頭走者、あるいはそれに近い順番でスタートする選手は、後方のドライバーに比べてグリップレベルの面で不利になる傾向がある。そのためスウェーデンでは、若きフライング・フィンが序盤に劣勢に立たされる可能性が考えられる。

「(スウェーデンで)最初に走るのは、たしかに難しいかもしれない。でも僕たちは最善を尽くす」とWRC公式サイト『WRC.com』に語ったロバンペラ。

「もっとも重要なことはポイントをしっかりと持ち帰ることだ。モンテカルロではそれができた。素晴らしかったよ」

 ロバンペラはモンテカルロの初日、2本のナイトステージを終えた段階ではWRC2クラスの首位に立ったエリック・カミリに次ぐ総合11番手と苦戦を強いられていた。

 その後、彼はエンジニアのタビ・エレマーのサポートを受けながら、このイベントがデビュー戦となった『トヨタGRヤリス・ラリー1』に大きな変更を加えた。翌日も総合順位は9番手だったが、ステージタイムは上向き4番手タイムを2度記録してみせる。

「とても苦労していた。でも、そこでようやくマシンが良くなってきて、うまく対応できるようになったんだ」とロバンペラ。

「僕たちが何をしたかって? 全部だよ、なんでもやった! クルマはスタート時とはまったく違っていた。それくらい何度も何度も変更を加えたんだ。僕たちと一緒にクルマを改良し、新しいものを見つけ出そうとしてくれたエンジニアに感謝している」

「おかげでモンテは良い週末になった。チャンピオンシップを(事実上)リードする立場に居るのだからね。次のラリーに向けてテストに励み、ラリー・スウェーデンが始まるまでに準備を整えておく必要がある」

 次戦での先頭スタートを恐れていない彼だが、過去に先頭走者を務めたときよりも運に恵まれることを祈っている。2021年、ロバンペラは序盤2戦を終えた段階でポイントランキング首位に立ち第3戦クロアチアを迎えた。その初日、彼はオープニングステージでコースオフ、そのままリタイアを喫している。

史上最年少ポイントリーダーとして第3戦に臨むも、オープニングステージでクラッシュを喫したカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)
2022年WRC第1戦モンテカルロで総合4位となったカッレ・ロバンペラ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)
サービスパークで整備を受けるトヨタGRヤリス・ラリー1 2022年WRC第1戦モンテカルロ

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