陸自「水陸機動団」新編連隊 大村の竹松駐屯地に配備決定

 陸上自衛隊で離島奪還作戦を担う「水陸機動団」に新編予定の1個連隊について、長崎県は4日、防衛省が大村市の陸自竹松駐屯地への配備を決定したと発表した。同省の担当者が県や同市を訪れ説明した。同機動団誘致を巡っては佐世保、五島両市と北海道千歳市も名乗りを上げていた。
 同機動団は佐世保市に本部を置き、隊員は約2400人。三つ目となる連隊は第1、2連隊と同様に約600人規模とみられる。2022年度から隊庁舎や屋内水中訓練場などの整備に着手する計画で、23年度の配備を目指す。
 竹松駐屯地からは19年度、第7高射特科群の本部など約200人が宮古島駐屯地(沖縄県)に移駐。これを受け、大村市は官民で同機動団の誘致期成会をつくり防衛省などに要望活動を続けていた。
 園田裕史市長は「本市の地域コミュニティーの維持や活性化に自衛隊の存在は欠かせない。今後も国防に貢献するとともに市の発展につなげたい」と歓迎した。
 決定の理由についてある陸自関係者は「団本部と二つの連隊がある相浦駐屯地とも距離が近く、連携が取りやすい。水陸両用作戦の訓練にも適している」とする。日本大の吉富望教授(安全保障・危機管理)は竹松駐屯地が海上自衛隊大村航空基地に隣接することから「ヘリや、場合によってはオスプレイを使いダイレクトに南西諸島へ展開できる」と、部隊展開の容易性や連携面での優位性も強調した。


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