国立天文台から2023年の「暦要項(れきようこう)」が発表される

【▲ 石垣島天文台で撮影された2021年5月26日の皆既月食(Credit: 国立天文台/堀内貴史)】

国立天文台は2022年2月1日、毎日の暮らしに欠かせない暦と関わりの深い2023年(令和5年)の「暦要項(れきようこう)」を発表しました。毎年2月最初の官報に掲載される暦要項は日本における公式な暦と言えるもので、翌年の国民の祝日や日曜日の一覧、二十四節気および雑節、朔弦望(月齢)、東京における日の出と日の入の時刻、日食や月食が見られる日時が記載されています。

■暦要項には祝日、月齢、日食や月食のタイミングなどを記載

国民の祝日がいつになるのかは「国民の祝日に関する法律」によってほとんどが定められていますが、太陽の位置をもとに定められる「春分の日」「秋分の日」については前年の暦要項で発表されることになっています。今回発表された暦要項によると、2023年の春分の日は3月21日(火)、秋分の日は9月23日(土)となります。また、2023年は元日(1月1日)が日曜日であるため、その翌日となる1月2日(月)が振替休日となります。

soraeとしては日食や月食の情報が気になりますが、2023年は日食が2回、月食が1回起きます。このうち2023年4月20日(木)の金環皆既日食(※金環日食と皆既日食がどちらも観測される日食)は、日本でも部分日食として見ることが可能。国立天文台によると、九州地方南部・四国地方南部・近畿地方南部~関東地方南部にかけての地域や、南西諸島・伊豆諸島・小笠原諸島といった島嶼部で部分食を楽しむことができそうです。なお、2023年10月15日(日)にも北米から南米にかけての地域で金環日食が見られますが、日本は夜なので見ることはできません。

いっぽう、2023年10月29日(日)の部分月食は日本全国でも見ることができるようです。国立天文台によると食の始まりは4時34分頃、食の最大(食分0.128)は5時14分頃、食の終わりのは5時53分頃で、小笠原諸島などでは月が欠けたまま沈む月入帯食(げつにゅうたいしょく)になるとのことです。

■2022年に見られる日食・月食は?

ちなみに、今年2022年の暦要項は昨年2021年2月1日に発表されています。それによると、今年は部分日食が2回、皆既月食が2回起きますが、日本ではこのうち2022年11月8日(火)の皆既日食を全国で見ることができるようです。

国立天文台によると食の始まりは18時8分、食の最大(食分1.364)は19時59分、食の終わりは21時49分とのこと。月食が見られるのは10か月ほど先のことですが、全国で良い天気に恵まれることを今から願いつつ待ちたいと思います。

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Image Credit: 国立天文台
Source: 国立天文台
文/松村武宏

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