V長崎 髙田 春奈社長が退任会見 「スタジアムの空気 大好きだった」

V長崎の経営を通じて「人々の触れ合い、人生の素晴らしさを教えてくれるサッカーの可能性を感じた」と語る髙田社長=ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート

 2月末で退任するサッカーJ2、V・ファーレン長崎の髙田春奈社長が4日、長崎市内で会見を開き「スタジアムの空気が大好きで、いつも愛に満ちあふれていた」とサポーターへの感謝の言葉を口にした。
 Jリーグの常勤理事に選出されたため、2月末でV長崎から完全に籍を外す。昨夏以降に理事就任の話が本格化する中で「もう少し長崎で頑張りたい」と気持ちが揺れ動いたが、最終的には「平和を発信できる可能性をサッカーが持っているとすれば、より多くの人に広げていくことこそが長崎の人が求めることだし、私がやりたいこと」と決断した。任期満了後の社長再登板については「今のところは思っていない」と否定した。
 社長を務めた2年間はJ1昇格に届かず「正直、一番難しいと感じたのは勝つこと。J1に上げる投資をしながら、J1で戦えない経営上の苦しさがあった」と打ち明けた。一方で「スポーツは思い通りにいかない。ビジネスはテクニックで解決しようとしてしまうが(サッカーは)本当に生もの。いろんな人と触れ合い、いろんな感情を持って、いろんな人と共有する。人生が豊かになる素晴らしさを私自身が感じた」とその魅力を語った。
 V長崎は3月から新体制で再出発する。「今までの流れが途絶えるかもしれないけれど、私ができていないこともたくさんある。もしかしたらV長崎の未来のためになると思えば、いい変化かなと捉えている」とエールを送り、現社長として「今、チームはとてもいい雰囲気でやっていて、今シーズンは本当に昇格するのではないかと思っている。というか昇格します」と言い切った。


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