昨年8月に北米仕様が公開となった新型フェアレディZだが、2022年1月に開催された東京オートサロン2022の日産ブースにて、待望の日本仕様がアンヴェールされた。公開された日本仕様は、国内限定240台の「Proto Spec」と9速ATを搭載するラグジュアリーグレード「Version ST」、さらに初代Z432を彷彿とさせるカラーやカスタムを施した「フェアレディZ カスタマイズプロト」。2022年6月下旬から順次販売予定の新型フェアレディZを前に、今回は前回の2代目フェアレディZ(S130型)に続き、1983年に登場した3代目フェアレディZ(Z31型)を写真と共に振り返る。
ロングノーズ・ショートデッキは変わらずも、大胆なイメチェンを果たしたZ31
1983年に登場した日産 3代目フェアレディZ(Z31型)。それまでのロングノーズ・ショートデッキスタイルは継承しながらも、初代・2代目と続いた丸目2灯のヘッドライトが矩形にチェンジ。パラレルライジング式リトラクタブル・ヘッドライトが採用されるなど、大胆なイメチェンを果たした。
直線基調も取り入れてモダンに大変身したエクステリアは、無駄な張り出しや突起物がない滑らかなボディラインで、Cd値を先代の0.39から0.31と空力性能が向上。3代目では、欧州製のスポーツカーに比肩できる性能の獲得が図られた。
世界初のセラミックターボを搭載
エンジンラインナップは、発売当初から2リッターもしくは3リッターのV6ターボエンジンを採用。前者は170PS、後者は230PSを発生し、欧州では最高速度250km/hオーバーを達成。その後、1985年には新開発の直列6気筒ツインカムターボエンジンを搭載した「200ZR」も生まれた。
直列6気筒 2000cc DOHC RB20DET型エンジンは、世界初のセラミックターボを搭載。従来のターボに比べ、より低い回転から加給圧発生させることが可能になり、当時のTVCMでも「セラミック・レスポンス」のフレーズを使用していた。
直列6気筒を積む最後のフェアレディZ
1986年のビックマイナーチェンジでは、日産の北米デザインセンター(NDI)により角が取れたスタイルにデザインを変更。
また、3リッターV6ツインカムの「300ZR」も新たに登場。パワーは190PS止まりだったが、ノンターボの大排気量ツインカムエンジンを積んだ300ZRは、Z31後期型フェアレディZの新たな旗艦モデルとして君臨した。
今回は3代目フェアレディZ(Z31型)を振り返ってみた。ロングノーズ・ショートデッキスタイルは継承しながらも、デザインが大幅に変更された3代目。また、後継モデルとなる4代目フェアレディZ(Z32型)からは、3.0リッターV型6気筒 VG型エンジンのみのラインナップとなり、結果として直列6気筒を積む最後のフェアレディZとなった。次回はそんな4代目モデルを振り返る。
[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]