アロンソ、元アルピーヌ育成の周冠宇のF1デビューに喜び「彼がチャンスを掴んだことを嬉しく思う」

 アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、周冠宇が初の中国人F1ドライバーとしてレースをするチャンスを与えられたことを喜んでいると述べている。

 周はアルファロメオでF1でのルーキーシーズンを迎えることになる。周はプレマからイタリアおよびドイツF4選手権に参戦してシングルシーターのキャリアを始動させた2015年以来、モータースポーツのジュニアカテゴリーを駆け上がってきた。2019年にはルノー・ドライバー・アカデミーに加入し、F1チームの開発ドライバーを務めるとともに、この3シーズンはユニ・ヴィルトゥオーシからFIA-F2選手権に参戦し、5回の優勝を飾った。

2021年シーズンのFIA-F2をランキング3位で終えた周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)

 アロンソは2020年末に22歳の周と知り合った。昨シーズンのF1復帰前にアルピーヌとプライベートテストを始めた時のことだが、その後将来のF1ドライバーとなる周とともにコースで走行した。

「彼のことを嬉しく思っているよ」とアロンソは昨年末にメディアに語った。「彼は感じのいい青年だ。もちろん今年彼はアカデミーにいたから、何日かテストで一緒になった」

「昨年はルノーの旧型マシンでF1復帰のためのテストに参加したが、そのときも周とはバーレーンとアブダビでテスト日程を分かち合った」

「僕たちはいい関係にあると思うし、さっきも言ったように彼がこのチャンスをつかんだことをうれしく思う」

2020年F1第17戦アブダビGP 左からフェルナンド・アロンソ&クリスチャン・ルンガー&周冠宇

 中国初のF1ドライバーとして、モータースポーツのエリートたちのなかに周が存在することは、F1にとって画期的な出来事だと認識されている。その一方でアロンソは、アントニオ・ジョビナッツィがグリッドを去ったことを残念に思っている。ジョビナッツィは2021年限りでアルファロメオを離脱し、そのシートを周が獲得したのだ。

 しかし40歳のアロンソは、アルピーヌのジュニアドライバーだった周が昇格できたのはF1全体にとっていいことだと認めている。

「アントニオが去ることになったが、F1では常にそうなるものだ」

「だがF1全体にとってはいいことだろう。中国と周にとってもね。みんな彼とレースをするのを楽しみにしているよ。できる限り最高の方法で歓迎しよう」

2021年F1アブダビテスト 周冠宇(アルファロメオ)

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