サッカーJ2のV・ファーレン長崎が1月上旬から沖縄、宮崎で続けてきた開幕前キャンプは5日に終了した。近年になく走り込み、チーム戦術の理解も深まるなど成果は上々。現在は新型コロナウイルス感染者もおらず、19日の開幕戦に向けてチームづくりは順調に進んでいる。
松田体制下で初めて迎える開幕前キャンプ。試合でハードワークを求める指揮官の「色」が早くも出た。1次キャンプの沖縄ではシャトルランやジャンプ系のトレーニングで肉体に負荷を掛け、1月17~28日の12日間の大半が午前、午後の2部練習。オフはわずか1日とみっちりトレーニングを積んだ。新加入した31歳の高橋が「キャリアの中で一番きつい」と振り返るほどハードな内容。「だからコンディションも上がっている」と効果を実感している。
2019年のJ2降格以来、V長崎の試合でたびたび指摘されていたのがスタミナ不足だった。試合終盤になるにつれて相手に走り負け、失点してしまう。ベテランの技術に頼りがちで、力強さに欠ける。その一因として、開幕前キャンプのトレーニング強度不足が指摘されていた。
松田監督は「これまでのことは意識してないが、私のやり方をベースに、2人のフィジカル系コーチと話し合いながらメニューを作った。けがをさせずに状態を上げていくよう、合理的に、科学的にやれた。筋肉系のトラブルも最小限だし、順調に来ている」と仕上がりに納得している。
トレーニングマッチは情報公開されているだけでも沖縄、宮崎で計4試合を実施。すべてJ1勢が相手だったが、2勝1分け1敗の好成績で終えた。この時期のトレーニングマッチは内容が最も大事だが、それでも王者川崎に3-1で快勝したことは自信になる。J2水戸から獲得した奥田は2ゴールを奪うなど、新戦力もかみ合い始めている。
キャンプ序盤、夜のミーティングでは映像やパワーポイントを使った「座学」を行い、松田監督が採用するゾーンディフェンスの考え方を説明。ピッチ外の時間も効率的に使い、新主将のカイオセザールも「そこ(ディフェンス)はかなりいいと思う」と表情が明るい。
22年シーズンの開幕は19日。残り2週間を切り、5年ぶりのJ1復帰を目指すV長崎がいよいよ最終調整に入る。