英国諜報部(MI5)によるまさかの奇策を映画化! 中瀬ゆかり絶賛の「オペレーション・ミンスミート」

TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。1月27日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【"中瀬親方”による1月のおすすめ作品】

◆関脇
書籍「教養(インテリ)悪口本」
堀元見 著(光文社)

"インテリ悪口専業作家”という、世界で唯一の肩書きを持つ著者の堀元。インターネット上に氾濫する罵詈雑言や悪口がつまらないのは、「知性もユーモアも宿っていないから」という考えの持ち主が、悪口を知性のあるインテリ悪口に昇華させる独自の言い方を伝授する一冊。

中瀬親方のコメント「この作品は、本当に最近一番笑って一番勉強になったというすごく面白い本でした! まず発想が素晴らしくて、例えば職場で『ナポレオンぽいね~』と言うと、褒められているっぽいけれどこれはインテリ悪口なんです。

実はナポレオンはもともと根暗な文学青年で、好きになった女性に夢中になって職務を放棄してしまうほどなんです。だからそういった異性に夢中になっている人が職場にいたら、このインテリ悪口を使うといいそうで、このようなインテリ悪口がたくさん出てきます。

例えば、『ネルソン提督のようだ』と言うと、世界三大提督に例えられて誰もがいい気分になるじゃないですか。これを上司に使うと、実は『前置きが長いよ』っていう(意味の)ステルス悪口なんです。

堀元さんは、文学や歴史、理系、数学などいろいろな分野にまたがっていてものすごく教養がある方なので、ありとあらゆる飽きさせない切り口のインテリ悪口やステルス悪口がたくさん載っています。とてもためになって真似したくなる面白い一冊なので、ぜひ読んでみてください」

◆大関
小説「母の待つ里」
浅田次郎 著(新潮社)

上京して四十数年ぶりに故郷を目指す徹。実家では、86歳になる母が心づくしの手料理などで温かく迎えてくれた。しかし、徹はこの母が本当は誰なのかを知らない……しかし、ここが自分の故郷であるということだけは知っている。

この母のもとに足を運ぶ還暦世代の男女3人の視点で物語が進んでいく。彼らをそこへ導いたものとは一体何なのか?

中瀬親方のコメント「浅田次郎さんといえば、日本中が涙した「鉄道員(ぽっぽや)」など、たくさんの代表作があるのは言わずもがなで、数多くの文学賞も受賞してきた、いわば小説家オブ小説家です。

これは、新しい家族と故郷の形を描いていて、予想を裏切る展開にとにかく最後まで目が離せません。最後は必ず目頭がぶわっと熱くなります。

コロナ禍でみんな故郷にも帰れないじゃないですか。私ももう2年以上(故郷である)和歌山の土を踏んでいませんし、母にも会えていません。そういうときだからこそ余計(心に)染みるし、読んでもらいたいです。

私がこの本を読み終わって真っ先にしたことは、自分の母親に電話をしたんです。それぐらいみんなが大事に思っていること、故郷や母であるとか自分の人生など、いろいろなことを考える一冊になっているので、ぜひこの機会に手に取ってみてください。間違いなく、感動があなたを包むでしょう」

◆横綱
映画「オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―」
2月18日(金)より全国ロードショー

第二次世界対戦時のイギリス軍のまさかの奇策、実話を映画化! 荒唐無稽と思われた作戦が一大諜報合戦へと発展していく超頭脳派スパイサスペンス。

中瀬親方のコメント「1943年、打倒ナチスに燃えるイギリス軍はドイツ軍の防備に固められたイタリアのシチリア島を攻略する計画を立てていたんです。でもそれが敵にバレて困っていたので、英国諜報部(MI5)が、チャーチル首相にある提案をするんです。

それはイギリス軍のニセの機密文書を持たせ、高級将校に仕立てた死体を地中海に流し、スペインに打ち上げさせて、ヒトラーを騙そうという奇策なんです。これによってヨーロッパ各国の二重三重スパイたちも巻き込んで、一大騙し合い作戦が始まるんです。

実は、この作戦の青写真を描いたのは、『007』の原作者でもあるイアン・フレミングなんです。彼は当時、英国諜報部の少佐で、ドラマのような作戦だったので最初は"成功するわけがない”っていうところから始まるんですけど、コリン・ファース(モンタギュー少佐役)がかっこいいし、脇を固める役者さんも素晴らしい。

そして指揮を執っているのは、私の大好きな『女神の見えざる手』などで知られるジョン・マッデン監督で、本当に一流の映画を楽しませてもらいました。ありがとうございます!」

中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回2月のエンタメ番付は、2月24日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。

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