全国の小中高校で深刻化する“教師不足” 教頭が学級担任の代替も

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。2月1日(火)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、全国で深刻化している“教師不足”について取り上げました。

◆全国の小中高で教師が不足、文科省の調査で明らかに

文部科学省が初めて行った全国的な調査で、教師不足の実態が明らかになりました。この調査は、今年度の始業日と5月1日時点で公立の小中学校・高校・特別支援学校を対象に行われ、教育委員会が指定している教師の数を満たしていないことがわかりました。

原因は産休・育休や特別支援学級数の増加などで、小学校では教頭などが学級担任の代替しているケースが400件以上も。一方、採用について毎年行っている調査では、公立小学校の教師の採用倍率が2.6倍で2年連続過去最低を更新。新卒の受験者数はあまり減っていないものの、大量退職などに伴い採用人数が増えていることが大きな要因と見られています。

これを問題視していたのは、法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さん。今後、教育は個別化していくべきだという由井さんは、「今はみんなにタブレットを使ってもらうなどして教育を進めているが、それは教科書などを紙からデジタルに置き換える、それだけの意味ではなく、それぞれ子どもたちがどこでつまずくかなどのデータが取れる。そうすることで個別最適化した教育が施せる」と熱弁。

「それなのに教師が足りないとなると、僕の時代も少人数クラスなどがあり、目が届く教育をしていたが、それができなくなってしまう」と危惧し、「(不足している)人数の問題というより、不足していること自体が問題。さらに正規で働いている先生も労働が大変だと叫ばれていて、これは非常に由々しき問題」と案じます。

キャスターの堀潤も学校の先生は教育だけでなく、書類作りや部活動もあり、その負担の大きさを懸念。キャスターの田中陽南も「私の知人も教師になったが、1年で精神的に疲れ、休みを取ることになった」と語り、「部活動まで教師が担わなければいけないのか、外部から人を呼ぶなど改善点はたくさんあるのでは」と意見します。

一方、「東京新聞」整理部 整理記者の大島晃平さんは、「少し前にTwitterであった"#教師のバトン”という動きで、先生が大変だということが伝わったと思う」と言います。

"#教師のバトン”とは、文部科学省が教師を目指す人のためにその素晴らしさを伝えるためのハッシュタグで、いつしか先生たちの大変さ、過酷さばかりが投稿されるようになり問題に。ただ、「そこで希望に思ったのは、先生は大変だと思ってくれる人が増えたこと」と大島さん。「だからこそ保護者や子どもたちも、先生は大変だからあまり迷惑をかけないようにしようとなった。それが正しいかはわからないが、そうした空気が少し出てきたとは思う」と指摘。

堀潤も同意し、先生に対するリスペクトや、温かい社会のまなざしが急速に失われていった背景もある中、先生達のことを社会がしっかりサポートしていくことも必要だと述べていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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