レッドブルF1、再び自信を取り戻したガスリーは「次のステップアップの準備ができている」と評価

 レッドブルのスポーツディレクターを務めるジョナサン・ウィートリーは、チームはジュニアドライバーたちの苦闘から多くを学んだと語り、ピエール・ガスリーはF1キャリアにおいて次のステップへ上がる準備ができていると主張している。

 2018年、ガスリーはレッドブルの期待に届かなかったことで、シーズン途中にトロ・ロッソに降格となった。しかしレッドブルでガスリーの後任となったアレクサンダー・アルボンもほとんどうまくいかずに2020年限りで放出され、スタードライバーであり現世界王者のマックス・フェルスタッペンのチームメイトには、経験豊富なセルジオ・ペレスが迎え入れられた。

 ウィートリーはガスリーとアルボンの苦戦から貴重な教訓を得たと述べており、レッドブルは若手ドライバーの努力をサポートするより良い方法を学んだという。ガスリーはアルファタウリで充実した2021年シーズンを送り、アルボンは今年ウイリアムズからF1復帰を果たす。

「我々はアレックスから多くのことを学んだ。難しい時期にある若手ドライバーを支援する方法を学んだのだ」とウィートリーはポッドキャスターのジャック・スレルフォールに語った。

「その前のピエールについても同様だ。ピエールがふたたび自信を取り戻したのを見てほしい。正直なところ、ピエールはもう次のステップアップの準備ができていると思う」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が3位を獲得

 アルボンの名誉のためにウィートリーが認めたところによると、ずば抜けて速いフェルスタッペンのチームメイトを務めることは、当時ルーキーだったアルボンには困難な挑戦だったという。

「アレックスは並外れた若者だ。素晴らしいドライバーだし、本当に速いドライバーだ」

「しかしピエールもそうだったが、マックス・フェルスタッペンのいるチームへ入っていくのは非常に難しいことだ」

「過去にアルファタウリやトロロッソからマックスのようなドライバーがいるレースチームに行くには、大きな溝があった」

「マックスはダニエル(・リカルド/現マクラーレン)とやっていかなければならなかったが、今ではマックスも、もうひとりの並外れた才能の持ち主であることが分かる」

「しかしアレックスは献身的な姿勢を見せ、一度も感情的にならなかった……。そのことが彼の復活する力を示している」

2020年F1第17戦アブダビGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)&クリスチャン・ホーナー(レッドブル チーム代表)

 ウィートリーはまた、レッドブルがチャンピオンシップで勝利を争うにあたって、ペレスの豊富な経験からいかに恩恵を受けたかを認めた。

「ドライバーズ選手権だけでなく、コンストラクターズ選手権でもタイトルを獲りたいと思うものだ」

「ふたりのドライバーが上位に入る必要がある。チェコが彼とともにチームに持ち込んだのは、根幹となる経験だと思う。それが我々をさらに強くするのだ」

2021年F1第22戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン&セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

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