葛飾区に杉並区 逼迫の保健所支援のため図書館が休館

感染者の急増とともに逼迫(ひっぱく)する保健所を支援しようと苦渋の決断です。都内の自治体では応援の職員を確保するため、区民へのサービスを一時休止とするところが出ています。

図書館の利用者は「区のお知らせなどに出ていたのか、事前にもっと知らせてくれるといい。急にきょうからダメですよと言われても」「しょうがないとも思いますけど」と話します。葛飾区の住民から困惑の声が上がる理由とは。それは、13館ある区立図書館全てが2月7日から休館となったためです。2月末まで、事前に予約した本の受け取りと返却はできますが、その他の図書館のサービスは休止となります。新型コロナの感染急拡大により、葛飾区が逼迫(ひっぱく)する保健所の応援職員を確保することが目的で、区内の「郷土と天文の博物館」と共に全ての区立図書館を休館とすることで、1日当たり約20人の職員を保健所に派遣できることになります。葛飾区総務部長は「これまでも陽性者数の伸びに対して応援職員を追加投入をするということで、対応してきたが、やっぱりそれでは限界が出てくると考えたので」「一部区民の方にはサービスを制限することになって大変申し訳なくは思うが、行政サービスのプライオリティをつけて」「そこの職員を保健所の方に投入していこうという風に考えている。」と話します。保健所に派遣された図書館と博物館の職員は、パルスオキシメーターや食料品を陽性者のもとに配布するために、必要なデータ入力といった事務作業を担うということです。苦渋の決断となった図書館の閉館に利用できないことを知らずに訪れた区民は「不意に来て言われて、困ったなと思ったが、コロナの応援というのも分かる。仕方がないのかな」「どの本を借りようというのも楽しみですけど、郵便局でも他の郵便局の手伝いに行っているという状態があるので、何とも言えない。仕方ないという部分もある」と困惑しながらも仕方がないと理解を示していました。

さらなる決断をしたのが、杉並区です。1月21日からすでに郷土博物館と3つの区立図書館を休館し、予約した本の貸し出しのみを行っていますが、2月4日からは5つの「子ども・子育てプラザ」も休館しています。「子ども・子育てプラザ」は妊娠期や子育て中の人たちが悩みを相談したり、支援サービスの情報を得られる施設です。休館中も子どもの一時預かりは受け付けますが、子育て中の親からは「子育てプラザが休館してしまうと幼稚園もけっこう休園になっているので、行くところがなくなるのでちょっと困る」「(感染者の)人数が増えているので、どうしようもないとは思う。子どもたちが心配なので、どうにか頑張ってほしい」と不安の声が聞かれます。杉並区内の図書館や子ども・子育てプラザの休館期間は13日までの予定ですが、感染状況によっては変更となる可能性があります。

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