「幻の桜」開花 龍郷町=ナーノの古木、春の訪れ告げる

4日は二十四節気の「立春」。暦の上では春の始まりとされる。鹿児島県龍郷町(奄美大島)の山奥では、「幻の桜」ともいわれるヒカンザクラの古木が満開になり、ひっそりと春の気配を漂わせている。

長雲峠の山間部、嘉渡川上流にある「ナーノ(中野)」という集落跡地にあり、「ナーノの桜」と呼ばれる。かつて一帯を治めた豪農の屋敷の庭木だったとされる。人の往来が途絶えた後も、桜は鮮やかな花を咲かせ続けている。

峠にある奄美自然観察の森の川畑力自然観察指導員は「幹周りが太く、圧倒的な存在感に神々しさを感じる。近くに炭窯もあり、昔の人の暮らしの大変さが分かる場所。大事に残していきたい」と話した。

南海日日新聞〔写真〕龍郷町の山奥で春を告げている「ナーノの桜」

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