佐渡汽船小木-直江津航路、大切と認識 カーフェリー、再導入「現時点で検討せず」 みちのりHDの松本CEO

 佐渡汽船への15億円の第三者割当増資と子会社化を表明した、交通・観光事業経営支援のみちのりホールディングス(東京都)。松本順グループ最高経営責任者(CEO)は、7日の記者会見で、具体的な戦略や小木―直江津航路の今後について述べた。

小木―直江津航路について「地域にとって、とても大切な航路であるという認識を持っている」と述べた松本CEO(7日、新潟市の佐渡汽船新潟事務所)

 上越市では、慢性的な赤字が続く小木―直江津航路が維持されるかどうかに注目が集まる。松本CEOは「地域にとって、とても大切な航路であるという認識を持っている。航路をできるだけ長く維持していくことができるよう、国や県や自治体に協力を求め、連携していきたい」と述べた。

 一方で高速カーフェリー「あかね」の売却以降ジェットフォイルでの運行が続き、地元が再びカーフェリーでの運航を求めていることについては「比較的最近ジェットフォイル(での運航)に変えた。その体制をしばらくは維持していく。カーフェリーに戻すかは、現時点で検討していない」とした。

◇活性化に向け5者連携協定

 出資に際しては自治体との連携を重視する。「新潟県、佐渡市、上越市、佐渡汽船、みちのりHDが連携して産業・観光の振興や交流人口の増進などの観点から、佐渡航路および地域経済の活性化に取り組んでいく」(松本CEO)ため、5者による連携協定の締結を予定している。

 佐渡の魅力については「人を引きつける魅力が非常に高い。佐渡金山だけでなく幅広く自然や食、産品など素晴らしい観光資源がある」と評価した上で、戦略として「新幹線と新潟駅から佐渡ターミナルまでのバス交通、佐渡汽船をデジタルチケットで一体化することはできると思うし、他の交通事業者とも連携したい」と意欲を語った。

 同HDは、傘下に置く東北地方や北関東のバス会社でデジタルチケットの実績があり、グループシナジーを発揮したい考えだ。

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