民間保育園の監査などを巡り便宜を図るよう依頼を受け、高級腕時計を受け取ったとして、京都府警捜査2課と下鴨署などは8日、受託収賄の疑いで、京都市子ども若者はぐくみ局長久保敦容疑者（59）＝京都市左京区＝を逮捕した。また、贈賄の疑いで、社会福祉法人「セヴァ福祉会」（左京区）の理事長中西京子容疑者（85）＝木津川市＝を逮捕した。
府警は2人の認否を明らかにしていないが、久保容疑者は腕時計を受け取ったことは認めているという。
久保容疑者の逮捕容疑は、左京区岩倉の保育園「セヴァ子ども学園」の園長を務めている中西容疑者から、自己都合による土曜日の休園を認め、市の監査で有利な取り計らいを受けるよう頼まれ、2019年3月8日、上京区のホテルレストランで中西容疑者からブランド品の腕時計1点（約45万円相当）を受け取った疑い。
府警の説明では、市の規定で保育園が土曜休園するには、保護者の同意を得るなど一定の条件を満たす必要がある。セヴァ子ども学園は19年4月～20年9月ごろに月に1回ほど土曜休園していたが、正当な理由がなかった可能性があるという。
久保容疑者は2012～16年度に市の保健福祉部長を務め、17年度から現職。保育園への運営指導や監査などを指揮監督する立場にあった。
セヴァ福祉会は1977年の設立で、左京区岩倉で保育園を2施設運営している。
京都市によると、一般職員で最上位の局長が逮捕されるのは「確認できる範囲で初めて」という。現職職員が収賄容疑で逮捕されるのは、10年2月に当時の市主任が市発注の小学校工事で便宜を図った見返りに現金20万円を受け取ったとして、収賄容疑で逮捕されて以来。
