奥祖谷 地元で愛される食堂 「谷口商店 食堂」パート2

徳島県三好市は、かずら橋のある秘境の観光地として有名な地域だ。訪れた人々は地元の名物料理を様々な場所で楽しむだろう。しかし、祖谷には地元の人々も足しげく通う、郷土料理も提供している食堂があるのをご存知だろうか。秘境の食堂、第一弾を紹介する。

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徳島県内で捕獲した鹿・イノシシを有効活用した「阿波地美栄(あわじびえ)カレー祭り」

三好市東祖谷京上、谷口商店の食堂へは「旅の宿 奥祖谷」の看板を目印に行く。宿の建物の手前の部分が食堂だ。入口に暖簾がかかっている。

食堂を訪れた日は、徳島県の「阿波地美栄カレーまつり」の期間中だった。

地美栄(ジビエ)とは、狩猟された野生の鳥獣肉のことであるが、徳島県でも農作物被害対策として狩猟された鹿や猪の肉を積極的に活用する試みが行われている。

この谷口食堂も例外ではなく、積極的に地元を盛り上げるイベントに参加している。

猪肉の鍋や鹿肉の様々な料理があるなか、今回のジビエイベントは「カレー」だ。

祖谷の鹿カレー 低カロリーなのに高たんぱく、鹿肉のカツや、鹿コロッケも

谷口食堂のカレーメニューを見てみる。

「鹿カレー」と「鹿カレープレート」がある。なんとこの食堂のカレーは、鹿肉のカレーのみだ。

おすすめの鹿肉カレープレートを注文する。鹿カレーに、鹿の一口カツと鹿コロッケがついてくる、鹿尽くしのスペシャルメニューだ。

少しして、揚げたばかりのカツやコロッケ、フレッシュなサラダののった鹿カレープレートが運ばれてきた。
おいしそうと思うと同時に、皿自体がとても大きくてそのボリュームにも驚く。

脂身が少なくヘルシー!鹿の味を堪能するカレー

はじめに一口カツをいただく。牛の赤身の様でもあるが、脂がないせいか食べやすく、深みがある。そしてコロッケも、どちらとも揚げたてでサクサクしている。いくつでも食べられそうだ。

いよいよカレー。一見、日本の一般的なカレーなのだが、スパイスのきき具合と鹿肉の風味がよく合っている。鹿肉に脂がないせいか、余計な油っこささがなくとても食べやすい。

ジビエ肉にクセがあるという人もいるが、この食堂のカレーも揚げ物も全くクセはない。調理法やスパイスに何か特別な秘密があるのだろうか。

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秘境・祖谷で先祖代々作られてきた名物ジャガイモも

また、カレーには小ぶりで味の詰まったまるごとのジャガイモが入っているが、これは祖谷の「ごうしいも(ごうしゅういも)」だ。厳しい山の環境でつくられるイモで、どんなに煮込んでもくずれないカレーにぴったりのジャガイモだ。ごはんは雑穀ご飯のこともある。

セットではなく、鹿カレーライスのみ注文する地元の人も多く、隣のテーブルのお客さんも鹿カレーを満足そうに頬張っていた。

鹿カレーは人気メニューのため、売れきれてしまうことも多い。お昼ちょうどには食堂に着くようにするのがおすすめだ。

パート3では、食堂の人気メニューを紹介する。

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>>祖谷そばや鍋焼きうどんなど人気メニューを紹介!「谷口商店 食堂」 パート3

谷口商店・旅の宿 奥祖谷

三好市東祖谷京上161-3

(取材・文: ショーン ラムジー)

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