スマートIT農業もいいけれど…高齢農家も安心のローテクメカに注目

テレQ(TVQ九州放送)で放送中の経済情報番組「ぐっ!ジョブ」(土曜午後2:30、福岡ローカル)は、さまざまな技術やサービス、アイデアで商機を見出す九州の企業と挑戦者たちを分かりやすく紹介。その2月12日放送分では、「カギは達人の知恵にあり! ニッポンの野菜づくりを支えるお助けメカ」をおくる。

高齢化やコロナ禍の影響による人手不足が深刻化する中、無人トラクターやドローンなどのスマート化が進む農業。だが、サービスや製品のクオリティーが高い分、コストもそれ相応にかかるのが現実だ。零細農家や、ITに不慣れな高齢農家にとって、ハイテク機器の導入は簡単ではない。そんな中、物理的な工夫による農業マシンで作業を助ける企業を取り上げる。

焦点を当てるのは、長崎県雲仙市の「フジシタ」。雲仙はジャガイモの一大産地だが、ジャガイモ自体が重く、植え付けや収穫はかなり重労働で、農業をあきらめる高齢者が相次いでいた。そこに登場したのが、同社オリジナルの乗用型植え付け機「ジャガールタンク」と収穫機「ブルガール」。

マシンに座って畑を移動するだけで、あっという間に作業が完結。そこには、走行時の振動を利用して種イモを自動供給するシステムや、ベルトコンベアの回転を調整することで掘り起こしたイモと土を分ける仕組みといった“からくり”的な知恵が生かされていた。その便利さやアイデアから開発者は「エジソン」と称されるほど。地元農家はもちろん、今では関東からも注文が寄せられ、両機合わせて200台を売るヒット商品に。そんな高齢農家も安心の、ローテクお助けメカをクローズアップする。

番組を手掛けたテレQ報道局次長・和田高プロデューサーは「今回は農家を助ける“ぐっ!ジョブ”を紹介します。巨額の投資となるスマートトラクターなど農業の自動化とは一線を画し、ローカル仕様の農業機械が高齢農家の仕事を助けるという話です。高齢のジャガイモ農家のニーズをすくい上げて完成した農業機械。それを使って作業を行う農家は、生き生きとした表情をしていましす。『農家の仕事を助けるのはこういうことではないか』という視点で今回、地元メーカー「フジシタ」の試行錯誤を取材しました。ある企業の“ぐっ!ジョブ”は、別の人々の“ぐっ!ジョブ”につながります。そうした部分を視聴者に感じてもらいたいです」とコメントを寄せている。

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