【新型コロナ】ファイザーの飲み薬、10日に承認へ 政府まず4万人分調達予定

 厚生労働省は、米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスの経口治療薬(飲み薬)について、10日に専門家部会を開き承認について審議を行う。了承されれば厚生労働省は速やかに承認し、ファイザーとの契約に基づいてまず4万人分の供給を受ける予定だ。

了承見込みも、既存薬32種類との併用禁止

 10日に審議されるファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」は、昨年12月に同社が公表した臨床試験の分析では、発症から3日以内に投与開始した場合、重症化リスクのある患者の死亡・入院リスクを89%低下させたとされている。既存の飲み薬よりも効果が高いと期待されており、部会の審議でも承認を了承される見込み。

 しかしこの薬は新型コロナウイルスの増殖を抑制する薬と、エイズ治療で使用される薬からなる組み合わせの薬剤で、一般的な解熱鎮痛剤、偏頭痛薬、降圧剤など32種類の薬剤との併用が禁止されている。患者が該当する薬を服用している可能性が低くなく、10日の審議ではそのリスクをいかに下げられるか慎重に検討するとみられる。

 なお日本政府は、承認を条件にファイザーから200万人分の供給を受けることで合意しており、10日に承認を受けた直後にまず4万人分を調達する予定だ。

© 合同会社ソシオタンク