ヴェネツィア国際映画祭クラシック部門に史上初めて日活ロマンポルノ作品 「七人の侍」「無法松の一生」などに続き

『㊙色情めす市場』より (c)日活

日活ロマンポルノ作品が初めてヴェネツィア国際映画祭クラシック部門に選出されたことが10日、明らかになった。日活が発表したもので、イタリアの開催現地で10日から5月26日まで開催される映画祭「CLASSICI FUORI MOSTRA 2022」において、「㊙色情めす市場」が5月12日に上映されることが決まった。

「ヴェニス・クラシックス」は2012年に設立されたヴェネツィア国際映画祭の一部門で、世界の映画関係者によって過去1年間に復元されたクラシック作品の中から、特に優れた作品が選出され、上映される。日本映画はこれまでに「七人の侍」(黒澤明監督)、「お茶漬けの味」(小津安二郎監督)、「山椒大夫」(溝口健二監督)、「無法松の一生」(稲垣浩監督)、「復讐するは我にあり」(今村昌平監督)など、名だたる巨匠の作品の復元版が選出されている。

「㊙色情めす市場」はロマンポルノを代表する監督のひとり、田中登(1937~2006年)の代表作。公開時、一般映画も含めた「映画芸術」誌ベストテンで第3位にランクイン。大阪・釜ヶ崎を舞台に、たくましく生きる人々の姿を描いた傑作。約1100本あるロマンポルノ作品の中で最高傑作とする映画人も多く、特に愛されてきた一作。1974年に公開され、2021年には日活が所蔵する35ミリマスターネガを素材としてデジタル復元が行われた。

田中登監督 (c)日活
『㊙色情めす市場』より (c)日活

(よろず~ニュース編集部)

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