再配達削減の一助に…画期的アプリ「TODOCUサポーター」とは

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーは、宅配便の“再配達削減”に関してキャスターの田中陽南が取材しました。

◆受取人とアプリを通じて連絡を取り在宅状況を確認

インターネット販売の普及やコロナ禍の巣ごもり需要で、宅配便の取扱個数が急増するなか、課題となっているのが"再配達”。

再配達を巡っては、時間帯指定通りの時間に届かなかったなど、受取人がもどかしい思いをすることもありますが、業者にとっては大きな負担。不在配達に費やされる時間は年間約1.8億時間、労働力に換算すると配達員9万人相当にのぼります。さらに再配達によるCO2排出量は、年間42万トンと環境にも大きく影響しています。

今回は、そんな再配達を減らすべく開発された画期的なアプリを田中が取材。開発したのは207株式会社の高柳社長。なぜアプリを作ったのか。そこには宅配業界の問題があり、「物流業界は多重下請け構造で末端の配送員は荷物1つあたり約100~200円で運んでいる。配達が完了したタイミングでその賃金がもらえるので、再配達してももらえるお金は変わらない」と言います。

そうした状況を打破するために開発されたのが、配送業者向けのアプリ「TODOCUサポーター」。これは受取人と直接連絡を取り、在宅状況を把握することで再配達を減らすことができます。

実際にアプリを利用している配達員に密着してみると、まずは配達前に伝票をカメラで撮影。]

伝票の情報をアプリ内で読み取り、住所や電話番号などが紐付けされた配達先が地図上に表示されます。そして、アプリを通じて受取人へショートメッセージを送り、在宅か不在かを確認。不在の場合でも配送員へ置き配を指定されることもあるそうです。

1日に5~6件が不在ということもあるため、「事前に連絡が取れるのは非常に大きい」と配達員の方もTODOCUサポーターを重宝している様子。また、このアプリにはリストアップした配送先を無駄なく回れるよう、AIが最適なルートをサポートしてくれる機能もあり、配送業者にとってはとても便利。

開発した高柳社長は、「(以前は)配達員は配送効率が高くない限り、儲からない形だった」と問題点を示唆。さらには「いまや配送員はハンディターミナルのような機器とともに自分のスマートフォンを持っているので、それを使って自分の業務を配送効率化できる素地が整ってきた」とアプリを開発した背景を語ります。

現在は約2万人の配達員がTODOCUサポーターを利用しているそうで、高柳社長は「宅配をやっている方々は日本全国で20万人程度いる。(今後は)残りの18万人も(ユーザーとして)増やしていきたい。そうすることで配達員も受け取る側も便利になる。全ての人がハッピーになれるような世界を目指していきたい」と意欲を見せます。

株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、「今、路地周りのテックはすごく面白い」と語り、配達員と受け取る側がよりコミュニケーションをうまく取れるようになればと期待。

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは「環境にも良いし、効率化にもなるのでWin-Win」とTODOCUサポーターを高く評価しながら、「消費者側もなんでも運んでもらえることに甘んじすぎるのもよくないと思った」と案じる一幕も。

番組Twitterには、配送業者で働く夫を持つ方から「置き配は問題もあるから業者によってはNGだったり、お願いされて置き配して荷物がなくなったら仕事を失いかねない。人間が運んでいるとわかってほしい」という意見も。さらには、配達状況がより細かに知りたいという声もあり、キャスターの堀潤は「ユーザー側への情報伝達もより進化するといい」と感想を述べつつ、「この分野は可能性を感じる」と期待していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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