冬は高額の光熱費が心配…"節約のカギ"は家電の使い分けにあり!家電別の節約方法を解説

布団から出るのがつらい季節です。さまざまな暖房器具を使用している家庭も多いことでしょう。

でも、思ったよりも暖まりが悪かったり、びっくりするほど光熱費が高額になってしまったりと、冬用の電気器具の使用に不安を覚える方も多いのではないでしょうか。

そこで商品別、世帯別に冬の各種暖房器具の上手な使い方を考えてみましょう!


エネルギー別のコストはどのくらい?

電気のエネルギーコストを考えてみる

電気料金は家族構成や住居形態によって大きく異なります。また、電力自由化によりさまざまな料金プランが登場しましたので、昼間と夜間では料金単価に大きな差がある方々も少なくないことでしょう。

親子四人世帯が一般家庭の平均と考えまして、電力消費量400kWh/月とし契約アンペア40Aで計算すると、月額電気料金は1万1,500円となりますので、使用量単価は28.75円と仮定してみましょう。

灯油のエネルギーコストを考えてみる

灯油単価は原油の先物相場が変動すると大きく影響を受けるのが怖いところです。一時は電気や都市ガスに比べて灯油が一番安価なエネルギーということもありましたが、今冬は値上がりしているため月ごとにランニングコストが高騰していく可能性も否めません。

単価の算出は非常に難しいのですが、前述の一般的な四人世帯で考えますと、灯油ポリタンクの容量を18Lとし灯油小売価格を1,800円で計算すると、使用量単価は100円で考えてみます。

都市ガスのエネルギーコストを考えてみる

ガス料金はどのようなガス機器が使われているのか、その季節によって使用頻度も変わってくるのであればガス消費量は大きく異なります。一般的な四人世帯で考えますと、1ヶ月に使用するガス量は45㎥ほどと言われています。

基本料金を1,037円とし単位料金を130円で計算すると、使用量単価は155.92円くらいでしょうか。

暖房器具別のランニングコストを見てみると?

エアコン

電気代の単価を28.75円で考えてみます。大半のエアコンは冷房時の消費電力よりも暖房時の消費電力のほうが高い傾向にあります。

また、始動時の室内温度から設定温度に達するまでは大きな電力を消費しますが、設定温度に達して室内温度が安定すれば省エネモードなどの機能が働き、消費電力は最小となります。

これらを考慮しますと、1時間あたりのランニングコストは13円から75円と考えられます。

石油ファンヒーター

灯油代の単価を100円で考えてみます。石油ファンヒーターは燃焼と温風のために電力を必要としますので灯油だけでは稼働できませんが、消費電力は非常に小さく10Wから20Wほどです。

これらを考慮しますと、1時間あたりのランニングコストは18円から20円と考えられます。

ガスファンヒーター

ガス代の単価を155.92円で考えてみます。石油ファンヒーターと同様に燃焼と温風のために電力を必要としますのでガスだけでは稼働できませんが消費電力は20Wほどです。

これらを考慮しますと1時間あたりのランニングコストは30円から32円と考えられます。

暖房器具の節約方法は"使い分け"がカギ

エアコンの節約方法

一人暮らしであれば、電気式毛布や電気式膝掛けを併用することで体感温度を上昇させて、エアコンの暖房温度を下げることができるでしょう。

ダイキン工業の調べによれば、設定温度を1℃下げるだけで約10%の節電ができるとされています。室内温度25℃の設定を22℃まで下げることで、約30%も節電効果につなげることができます。

一般的な四人世帯であればコタツです。コタツの設定温度を[弱]で使用すれば1ヶ月の電気代も500円から600円ほどです。コタツと併用することでエアコンの暖房温度はかなり下げられるはずです。

さらに湿度を上げると室内温度も上がりますので加湿器との併用で設定温度を下げる方法もあります。

石油ファンヒーターの節約方法

灯油代の節約は暖かい空気を逃がさないことが基本です。ただし、燃焼には酸素が使われるため、密閉された部屋での長時間稼働は一酸化炭素の濃度が濃くなり非常に危険です。1時間に1回から2回はかならず換気が必要となります。

「暖かい空気を逃がさないことが基本で換気はかならず必要」とは首を傾げたくなるかもしれませんが、換気をしながらも断熱性が確保されていれば良いのです。

窓を閉めていてもガラスから熱が逃げてしまいますので断熱シートを貼り付けると効果的です。また、扉の隙間も念入りに対策します。扉の隙間を埋めるテープなどが販売されていますので活用しましょう。

ところで、サウナ室の空間は高い位置のほうが熱いことをご存じでしょうか。暖かい空気は部屋の高いところへ上がっていきますので、部屋の空気を循環させると効果的です。夏場に活躍するサーキュレーターを冬場も使ってみるのもいいでしょう。

ガスファンヒーターの節約方法

ガスの節約は石油ファンヒーター同様に暖かい空気を逃がさないことです。燃焼に酸素が使われますので1時間に1回から2回は換気を行いましょう。換気に伴う断熱対策なども石油ファンヒーターと同じ考え方です。

ガスファンヒーターは、石油ファンヒーターとは比べものにならないほど部屋の温度を即効で暖めてくれますが、温度調節は不得意かもしれません。この弱点を補ってくれるのが実はエアコンだったりします。

温度調節に関してはエアコンに分があるので、一定温度に達したらエアコンにバトンタッチ!ガス機器と電化製品との連携技が節電に役立ってくれることでしょう。

電力とガス自由化の影響は?

電力自由化を追随するかのように都市ガスも自由化されて様々な料金プランが登場しています。基本料金を含めて大きく引き下げることができるかもしれませんので、各社の契約条件を比べてみても良いでしょう。節約に一番大きく貢献する可能性は充分にあります。

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