ストーカー事件を捜査する刑事 襲う記憶障害 やがて事件と刑事の過去がつながる 「その消失、」公開決定

若手監督・狩野比呂の長編映画初監督作品「その消失、」が、2月25日より劇場公開されることが決まった。

「その消失、」は、連続ストーカー事件を捜査する優秀な刑事・松井の周囲で不可解な出来事が起こるサスペンス・スリラー。連続ストーカー事件を捜査していた刑事の松井だったが、女性たちが次々と不審な死を遂げる中、真相に迫ろうとする松井をたびたび記憶障害が襲う。そして、松井が過去に負った深い心の傷と事件が結ばれていく。

原案・監督・脚本・編集を務めるのは、数々の映像監督の助監督を務め、映画やCMの演出・企画・脚本を手がける狩野比呂。10年以上前より構想していたプロットを元に自主制作として完成させ、長編映画デビューを飾った。主人公の松井を演じるのは、「罪の声」「青葉家のテーブル」などの札内幸太。ほかに、「奇跡」などの平祐奈、「佐々木、イン、マイマイン」「くれなずめ」などの藤原季節、「響-HIBIKI-」「胸が鳴るのは君のせい」などの板垣瑞生が出演。岡山天音、泉里香、井上肇らも顔をそろえる。

狩野比呂監督のコメントも発表された。発表されたコメントは以下の通り。

【コメント】
「愛憎による復讐心に駆られた1人の脆弱な人間を描く」
人間には、人を愛するという普遍的な感情の裏に、人を憎むという同じく普遍的な感情が常にあって、その葛藤の中で憎の感情が大きくなると、その度に何か大切なものが失われていきます。
その1つの消失は新たに1つの愛と1つの憎を生んで、愛は見えるものとしてそこに「平和」という幻想を生み、憎はその背後で愛を蝕んで新たな「消失」を生みます。そうして消失は連鎖していきます。その「連鎖」は、人間が生きている限り、抗おうとしてもおおよそ止まる事はなく、救いの道はありません。もし止まる事があるとしたら、それは自然が与えてくれた運によるものでしかありません。人間は弱い――そんな「人間の弱さ」とそれが生む「消失の連鎖」を表現したい。それがこの作品を作ろうとしたキッカケです。
こういったサスペンス要素のある人間ドラマを予算のない自主制作映画の脚本として採用するのには大変勇気が入りましたが、自主映画だからといって自己完結的な作品にするのではなく、この物語自体を広く楽しんでもらえるような娯楽性のある作り方をしました。
ある1人の刑事の数週間の永い物語です。この作品を見終わった観客の皆さんが主人公の刑事・松井幸太という人間に感じるであろう感情――それはおそらく、皆さんが全ての人間についてどう感じながら生きているのか、それと同じ感情だと思います。何かが消失していく悲しみよりも、何かが生まれてくる幸せに目を向けて生きていきたいという、僕個人や仲間の願いを込めて、それが見てくれる方々にも伝わって欲しいと思っています。

【作品情報】
その消失、
2022年2月25日(金)より東京・ヒューマン・トラストシネマ渋谷ほかレイト公開
配給:AMGエンタテインメント
©「その消失、」製作委員会

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