東日本大震災から10年11か月

By 大脇 桂

2月11日、東日本大震災が発生してから10年11か月

◆人的被害・避難者数

・2011年3月11日、国内最大規模となるM9.0の地震が発生し、大津波により東北地方の太平洋沿岸に大きな被害をもたらした。警察庁によると、2021年3月10日現在、死者1万5899人、行方不明者2526人、死者不明を合わせて1万8425人(前回2020年12月10日現在、死者1万5899人、行方不明者2527人)。

・復興庁によると、2021年9月30日現在、震災関連死は1都9県で3784人(前回2021年3月31日現在3774人。前回比+10人)。震災関連死・直接死・行方不明者と合わせると合計2万2209人。都道府県別では、岩手県470人、宮城県929人、山形県2人、福島県2329人(+10)、茨城県42人、埼玉県1人、千葉県4人、東京都1人、神奈川県3人、長野県3人。年代別では、20歳以下9人、21歳以上65歳以下424人、66歳以上3351人だった。

・復興庁によると、2022年1月12日現在、避難者数は3万8514人。県外避難は3万1164人(福島県2万7000人、宮城県3397人、岩手県767人)。

・1月20日、すべての住民の避難が続く福島県双葉町で、帰還準備のために住民が自宅などに寝泊まりする「準備宿泊」が始まった。

◆裁判・訴訟

・1月27日、原発事故で甲状腺がんを発症したとして、当時6~16歳の男女6人が東京電力に約6億円の損害賠償を求める裁判を東京地裁に起こした。

◆物議

・2月3日、首相経験者5人が欧州連合(EU)の欧州委員会に原発推進の撤回を求める書簡を送っていたことが分かった。書簡には「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しむ」といった記述があり、政府は差別や偏見を助長すると非難、福島県知事は遺憾を表明した。

◆事件・事故・不祥事

・1月23日午前1時半ごろ、宮城県石巻市田道町の市道でひき逃げ事件が発生し、復興支援のために派遣された埼玉県職員の男性が亡くなった。

◆汚染水対策・原子炉格納容器内部の調査

・1月12日、福島第一原発1号機で予定していた原子炉格納容器内部の調査について、ロボットに内蔵された放射線量を測定する機器に不具合があり、調査を中断した。

・1月16日、福島第一原発の汚染水対策のために設置している凍土壁で、地盤を凍らせるための液体約4トンが漏れるトラブルが発生した。液体はマイナス30度の塩化カルシウム水溶液で、東京電力は、環境への影響はなく、凍土壁の機能にも直ちに影響はないとしている。

◆放射性セシウム

・2月2日、福島大学環境放射能研究所の高田特任准教授らの研究グループが本州東側(太平洋側)と本州西側(日本海側)の放射性セシウムの影響を調べた結果を公表した。発表によると、本州東側の福島県の沿岸域では、河川から運ばれる放射性セシウムの影響が続いていること、本州西側の沿岸域では河川からの影響はほとんどないことなどがわかった。プレス発表資料 https://www.fukushima-u.ac.jp/press/Files/2022/02/158-03.pdf

◆食品

・2月7日、台湾行政院は、原発事故後から実施している食品の輸入禁止措置を解除する方針を明らかにした。禁輸となっていたのは福島県、群馬県、茨城県、栃木県、千葉県の5県。台湾はTPP(環太平洋連携協定)への加入を目指している。

◆復興

・1月20日、福島県は香港の工場で記者会見を行い、福島県産米「天のつぶ」を使い香港のメーカーが醸造したクラフトビール「天のつぶBEER」を発表した。2月から香港で県産品フェアを行う。

◆その他

・1月26日、原発事故当時、福島県川俣町の元町長で、政府の事故調査・検証委員会の委員も務めた古川道郎さんが亡くなった。77歳。

◆東日本大震災から10年10か月
https://nordot.app/853288298319839232

◆警察庁|警察活動と被害状況[2021年3月10日]
http://www.npa.go.jp/news/other/earthquake2011/index.html

◆復興庁|震災関連死の死者数等について(令和3年9月30日現在)[令和3年12月27日公表]
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-6/20140526131634.html

◆復興庁|全国の避難者等の数(所在都道府県別・所在施設別の数)[令和4年1月28日]
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat2/sub-cat2-1/hinanshasuu.html

◆広島大学|地球資源論研究室|東日本大震災-被災地-
http://earthresources.sakura.ne.jp/er/EV_TKJ(4).html

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