マンフレッド・コミッショナーはキャンプ延期を決定せず 次の交渉次第

日本時間2月11日、ロブ・マンフレッド・コミッショナーはオーナー会議が行われていたフロリダ州オーランドで記者会見を行い、次回の労使交渉の場でメジャーリーグ機構側(オーナー側)が「プロセスを前進させるための努力として誠意ある提案を行うつもり」であることを明言した。マンフレッド・コミッショナーは「私は楽観主義者だ」と語り、予定通りにシーズンを開幕させる方針であることを強調。また、スプリング・トレーニングの開始を延期させることについて正式なアナウンスは行われなかった。

スプリング・トレーニングの開始予定日まで1週間を切っている状況のなか、スプリング・トレーニングの延期は不可避とみられているが、マンフレッド・コミッショナーは延期を正式発表しなかった。「その決断を下す前にメジャーリーグ選手会と日程についての話し合いを行う必要がある」とマンフレッド・コミッショナー。次回の労使交渉は日本時間2月13日に予定されているが、仮にここで労使交渉が合意に達したとしても、予定通りのスプリング・トレーニング開始には間に合わないため、次回の労使交渉後に延期が正式発表されることになるだろう。

マンフレッド・コミッショナーはスプリング・トレーニングが延期され、レギュラーシーズンの試合数が削減されることについて「試合数が減少することは、この業界にとって悲惨な結果であると思う」とコメント。また、オーナー会議を経て、次回の労使交渉ではオーナー側が選手会に対して新たな提案を行う予定であることを明言した。

マンフレッド・コミッショナーによると、過度なタンキングを抑制するためにドラフト上位指名権の抽選制度を導入することを双方が提案しているようだ。また、オーナー側はユニバーサルDHの導入を提案しており、選手会も前向きな姿勢を示しているという。さらに、オーナー側はFA移籍に付属するドラフト指名権の補償を放棄。これらに加え、年俸調停権を取得する前の全選手の年俸が旧労使協定に比べてアップするように新しい経済構造を提案しているという。一方、選手会が主張している収益分配とぜいたく税に関するルール変更については「リーグの競争バランスを損なう」とオーナー側が抵抗しているようだ。

「ファンのために、交渉成立に向けてできることはすべてやっている。選手会とのあいだでフェアな合意に達したいと考えているし、それを迅速に行いたい。失効した労使協定よりもあらゆる点で優れたものを提案している」と自信を見せたマンフレッド・コミッショナー。これらの発言が「有言実行」となるか、次回の労使交渉には大きな注目が集まりそうだ。

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