秘境祖谷、徳島県三好市。急峻な山々に集落が点在する。ここでは何世紀にもわたって住み続けてきた人々が独自の文化を発展させてきた。厳しい自然環境で発展した農耕システム、そしてこの秘境まで落ち延びてきたという平家の伝説。そんな祖谷の昔の暮らしを垣間見ることができる、東祖谷歴史民俗資料館を紹介する。
【前回の記事はこちら】
>>東祖谷歴史民俗資料館 パート1|平家伝説が残る祖谷の地の貴重な資料館
徳島県東祖谷 垣間見る昔の暮らし
東祖谷歴史民俗資料館に入ってすぐの展示では、囲炉裏のある茅葺きが再現されている。実際に囲炉裏まわりで使用されていた道具類も並んでいる。
後ろでは祖谷の民謡が流れ、昔の山の集落を訪ねているような気分になる。
生活用具や農具から当時の暮らしを知る 祖谷の特産品雑穀ヤツマタの紹介も
今のような便利なものがない頃に日々使用されてきた、日常の道具の展示がある。
手作りであろう道具と使い込まれた様子から、当時の生活を想像してみる。現代の暮らしとは全く違い、様々なものが各家庭でつくられていたことが分かる。
自然環境や気候のため、稲作があまりできなかった祖谷ならではの雑穀なども詳しく解説されている。表示を読まないと何に使用するか分からない、農業に関する興味深い道具も多く展示されている。
展示では各箇所に詳しい解説があり、祖谷での暮らしを伝えているので、ぜひじっくりと読んでみて欲しい。展示されている一つ一つのものが、さらに意味を持ってくる。
豊富な森林資源を生かした林業や香り高い祖谷のたばこなど 険しい秘境での暮らしの知恵と工夫
祖谷では、環境を生かしての林業も盛んであった。山で使用する道具や身に着けるものも豊富に展示されている。
また、祖谷では、換金作物としてのたばこの栽培も盛んだった。
祖谷のたばこは味が良いことで名をはせたとも言う。祖谷の家々では、屋内に収穫したたばこの葉をつるして乾燥させていた。展示を見ながら、ぜひ昔の祖谷を想像して欲しい。
パート3では、祖谷の歴史と伝説展示について紹介する。
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東祖谷歴史民俗博物館
開館時間 10:00~16:00
4月~11月 毎日開館
12月~3月 定休日 年末年始 水・土・日・祝日
入場料 大人410円 子供100円
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)