旧海軍建物の遺構を確認 佐世保・立神広場発掘調査 弾薬包庫、爆発管庫など

立神広場内に遺構が広く分布。後方のれんが造りの建物が立神音楽室=佐世保市立神町

 長崎県佐世保市は、立神広場(同市立神町)の歴史公園整備に伴い実施している発掘調査の結果を報道陣に公開した。広場は佐世保鎮守府の倉庫跡地にあり、市によると、旧海軍の建物跡などの遺構が新たに確認され、良好な保存状態だった。
 立神広場は約5千平方メートル。市は、鎮守府の歴史などを紹介する「させぼ立神近代化歴史公園(仮称)」として整備し、2025年度のオープンを目指している。
 発掘調査は、昨年12月下旬から6カ所で実施。広場内にある立神音楽室と同じれんが造りの建物で「弾薬包庫」(1888年完成)の基礎部分や、砲弾を起爆させる信管を保管する「爆発管庫」(89年完成)の跡、艦艇から取り外した再利用可能な部品を保管する「廃棄艦処分品第一仮格納庫」の跡などを確認した。公文書には記載がなかった水に関する遺構も見つかった。
 市教委は今回発見した遺構の一部を展示し、ほかは埋め立てて保存する方針。鎮守府を紹介するガイダンス施設を新設し、立神音楽室は展示スペースや休憩施設として改修する予定。

させぼ立神近代化歴史公園(仮称)の完成予想図(佐世保市教委文化財課提供)

 市教委文化財課の川内野篤係長は「ここは、佐世保鎮守府の始まりの地のような場所。歴史を物語るような公園を造ることは大変意義のあることだと考えている」と話した。


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