【鳩スタ殿の13人】#001 吉田健次(鎌倉インターナショナルFC GM)− 鎌倉インテル創業時に馳せ参じた1人目の男

鎌倉インテルGMの吉田健次さん(写真左)。2021シーズンで現役引退した斎藤海輝選手(右)と

ひとみ編集長つい先日、鎌倉の深沢に誕生した「みんなの鳩サブレースタジアム」。現在、進めている「みんなのスタジアム構想」をインタビュー!

シリーズ第1回目は、スタジアム建設に深く関わった鎌倉インテルの立ち上げ期から携わり、一番長くインテルを支え続けてきた、影の立役者 吉田 健次ゼネラルマネージャー(以下、吉田GM。写真左)です。

福岡出身で元々は野球少年だった吉田GM。なぜ縁もゆかりもない鎌倉で、鎌倉インテルに携わるようになったのか?そのストーリーや想いなどを語って頂きました!

鎌倉「みんなのスタジアム構想」クラウドファンディング

オーナーとの出会いは、カンボジア

ひとみ編集長本日はよろしくお願いします!では早速なんですが、吉田GMはなぜ鎌倉インテルと関わることになったのですか?その経緯をお聞かせください。

吉田GM

はい。実は、鎌倉には大学時代、観光で一度だけ訪れただけでした。大学卒業後、都内のIT企業に就職し、その後30歳でカンボジアに移住しサッカービジネスに携わるようになります。

元々野球少年だったのですが、中学入学直後に身体を壊して競技スポーツを断念せざるを得ない状況になり、そのこともあって将来はスポーツに関わる仕事をしたいと思うようになりました。

サッカーをビジネスにするきっかけになったのは2004年。プロ野球チームを買収しようとした堀江貴文さんが世間からバッシングを受け、それを見て違和感を持ちました。閉鎖的な野球に比べて、サッカーは誰にでもチャンスがあり、オープンな雰囲気を感じ興味を持ち始めて。

吉田GM

サッカーに携わる仕事がしたい。そう思ってはみたものの、地元福岡ではサッカーの仕事に在り付けず、たまたま見つけたのがカンボジアの求人です。

2017年の11月8日。スーツケースひとつでカンボジアに移住し、サッカーチームのフロントスタッフとして営業・企画・広報。チームを支える中心的な役割を果たす仕事に就くことができました。

そこで出会ったのが、鎌倉インテルのオーナー四方健太郎さん。当時、グローバル人材研修の仕事をしていた四方さんとたまたま出会ったのが始まりです。

ひとみ編集長元々サッカーをやっていたわけではなかったのですね!それは意外でした。四方さんに出会うまでに、色々な経験をされていたのですね。## サッカーと地域。そしてビジョンがあれば、必ずチームは強くなる

鳩スタにて。試合後、恒例の勝利の記念撮影

吉田GMそうなんです。ただ知り合った当時は鎌倉インテルの話はまだなく、知り合い程度で。その後、四方さんが、鎌倉にサッカーチームを作るために色々準備していて。サッカーチームを作るなら、現地の協力とすぐに動ける人材が必須となり、その時に声がかかりました。

ひとみ編集長なるほど!鎌倉インテルに携わる、決め手などあったのですか?

吉田GM

はい。日本には、どのサッカーチームも地域とカテゴリー以外にわかりやすい特徴がないように感じていました。何か特徴があるチームで仕事がしたい。特徴があると、いろんな人が応援してくれる。サッカーと地域、そしてビジョンがあれば、必ずチームは強くなると確信していました。

そう思っていたところに、四方さんがやろうとしている「インターナショナルなチームを作りたい」という想いに共感し、鎌倉インテルに携わることを決めました。2017年、再びスーツケースひとつで鎌倉に移住しました。

ひとみ編集長そうなんですね!
吉田GMにとって鎌倉インテルは、想いに共感できる特別なチームなのですね。

吉田GMはい!余談ですが、カンボジアで就職をする前に1年くらい世界中を旅していました。

サッカービジネスをするなら英語が必要と思い、オーストラリアで語学の勉強したり、現地のクラブに加入してサッカーをプレイしたり。南米ではブラジルの危険なエリアで開催された日本代表の試合を観に行ったり。

NYのジョン・F・ケネディ国際空港で飛行機に乗り遅れて、ロスで足止めをくらいレンタカーでフリーウエイをドライブしたり。面白いことがいっぱいありました(笑)

鳩スタは、地域の課題を解決できる大事な場所

鳩スタ建設前には長い間、何もありませんでした

ひとみ編集長楽しそうですね(笑)
吉田GMにとって「鳩スタ」はどんな場所ですか?

吉田GM

鎌倉インテルに最初から携わる中で、地域にとってスポーツをする場所があることはすごく大事だと感じました。鳩スタは、地域の課題を解決できる場所。

鎌倉はスポーツする場所がなく、それが課題となっていた。スポーツ選手がいい環境を求めると、遠い場所に通って練習する必要があった。もしそれが学生であれば、勉強だって疎かになってしまう。

そこを鳩スタが解決できれば、地域の人達の役にたてるし、きっと応援してもらえると思いました。そしてスタジアムを作った上で、地域の人達によりよく使ってもらう。大切に育てていきたいです。

鳩スタは、鎌倉インテルにとって象徴的な場所。会社として考えたら大きなチャレンジ。個人としては大事な場所。鳩スタから徒歩30秒の場所に住んでいるので、自分の家の一部、庭みたいな感覚です。

みんなに支えられている鳩スタ

チアリーディングクラブが応援に来てくれました

ひとみ編集長徒歩30秒!笑
鳩スタはすごい勢いで成長し続けていますよね。大変なこともありましたか?

吉田GM

ありましたよ〜。

あまり大々的には発信していませんが、クラファンでたくさんの方々に協力していただいて鳩スタを作ることはできたけれど、台風で工事が遅れたり、コロナで手続きが遅れたり、後から予期していなかったお金がかかったり…。

お金をかけたいところに充分にかけることができなかった。そんな苦労を知ってか、自然と手伝ってくれる人が集まってくれました。

選手、サポーターやスポンサーの方々、地域の人達。みんなで一緒に楽しみながら、時間と労力をかけて作ったスタジアム。応援してくれる人達の善意で鳩スタは成り立っています。

Jリーグでは絶対に味わえない「迫力」が鳩スタの魅力

鎌倉インテル、ゴールの歓喜の瞬間

ひとみ編集長大変なこともありますよね。でも鳩スタってすごいですよね!私も実際に試合を見に行って、選手がすぐ近くでプレーし、同じ目線で試合を楽しめる。その迫力に興奮しました!

吉田GMそうなんですよ!鳩スタは、Jリーグでは絶対に味わえない「迫力」が魅力です!一度見に来たお客さんは、その迫力に驚いて喜んでくれる人が多くて。

最初はコロナ禍の事もあり、なかなか観客がきてもらえなかったけれど、今では1試合で200人余りの観客が来る事もあります。

ベンチだけでなく、立ち見客やゴールの裏にも観客でいっぱいになったり。試合ごとに観に来てくださる方が、どんどん増えていくのが本当に嬉しいです!

鳩スタは、選手とファンの方々ひとつになれる場所

勝利のあとは選手・ファン分け隔てなく、みんなで記念撮影

ひとみ編集長素敵ですね。
最後に、吉田GMにとって「鳩スタ」はどんな存在ですか?

吉田GM 鳩スタは、選手とファンの方々がひとつになれる場所です。

普段から子ども達が練習したり、まんまる保育園や寺分保育園の園児達が思いっきり走り回って遊んだり、雪が降ったら雪だるまを作ったり、お爺ちゃんお婆ちゃんが健康教室に訪れたり。

誰でも使えて集える場所。どんな人でも楽しめる、関われる場所。プロのグラウンドではありえないけど、鳩スタならそれができるのがすごいところです。

吉田GM

そして毎週日曜日の朝はトップチームの試合が行われていて、普段遊んでいる場所で迫力のある試合が間近で観られるのも魅力です。

試合に勝ったら、毎回選手とファンの方々入り混じって集合写真を撮っています。

コロナで人が集まる事自体が難しくなってしまったけれど、みんなでこの状況を乗り越えて、この瞬間がコロナ克服の象徴的なシーンになればと思っています。

ひとみ編集長早くそんな日が訪れるといいですね。本日はありがとうございました!

Photo: Kazuki Okamoto(ONELIFE)

編集後記

鎌倉インテルの創業から携わり、チームを支え続ける吉田GM。

はじめは少し強面のイメージでしたが、実際にお話してみると「世界を旅して様々な経験をされている面白い人」という印象でとても楽しい時間でした。

「スポーツをやる人もやらない人もやらない人も、より良い場所をみんなで作りたい」。

熱い想いを持った、吉田GMの挑戦は続きます。

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