「神の使い」に油揚げをお供えも 秦野・白笹稲荷神社で「初午祭」

「神の使い」のキツネの好物、油揚げが供えられた白笹稲荷神社の初午祭=秦野市今泉

 関東三大稲荷の一つに挙げられる秦野市今泉の白笹稲荷神社で10日、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛などを祈願する「初午(はつうま)祭」が行われた。訪れた地域住民らは平穏を願って静かに手を合わせた。

 初午祭は、奈良時代の711年、立春後初の「午の日」に穀物の神「稲荷神」が京都市の稲荷山に鎮座したという言い伝えにちなみ各地の稲荷神社で行われている。生活の大本となる衣食住を中心に、五穀豊穣や商売繁盛、開運などが祈願されている。

 小雨が降る中、本殿前には地域住民らが距離を取りながら並び、静かに祈っていた。本殿脇にはササが立てられ、「神の使い」とされるキツネの好物の油揚げを供える参拝客の姿も見られた。

 同神社の金子祥之宮司(50)は「新型コロナとしっかり向き合うことが大切。豊作はもちろん、経済への影響を最小限とどめて、みなさんの商売繁盛につながってほしい」と話した。

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