寒い冬だってメークを楽しみたい!

なかなか収束の兆しが見えない新型コロナウイルス。「人に会わないから」とついついメークも手抜きになってない? 冬の乾燥が気になるこの季節だからこそ、肌に優しいメークや注目のコスメを知って、寒い冬を楽しく乗り切ろう! (取材・文/中沢絵里奈)


コロナ禍でどう変わった?

メークの最新トレンド

長引くコロナ禍により、マスクを着用する生活はすっかり日常になった。また、在宅勤務を取り入れる企業が増えたことで、外出や人に会う機会が減り、「メークはつい怠けがち…」という人も少なくない。そこで、メーキャップアーティストとしてグローバルに活動する澤渡祥子さんに、コロナ禍でもメークを楽しむための秘訣やトレンドを聞いた。

――流行のメークトレンドについて教えてください。

マスクをするようになって口元が見えなくなった分、目元で遊ぶメークが主流になっています。90年代のトレンドがリバイバルして、特に細眉メークはよく街中で見掛けるようになりました。ここ数年は太くてナチュラルな眉が定着していましたが、最近はキリッとした細眉がセクシーで新鮮です。さらに目のインナーコーナーにアイラインを入れたり、大胆にカラーラインで遊んだりするのにも注目。眉の存在感を控えて、強いアイメークを和らげるのがポイントです。

細めにきりっと整えられた眉がトレードマークのベラ・ハディッド

――日本人にもトライしやすいテクニックは?

トレンドのインナーコーナーアイラインを、カラーアイペンシルでナチュラルに取り入れるのがかわいいと思います。日本ではリキッドタイプが人気ですが、欧米人はクレヨンっぽいテクスチャーのペンシルを好みます。リキッドのように細かい調整はしづらいですが、色付きが良いので目元にニュアンスを与えるのに使いやすいアイテムですよ。「やり過ぎかな?」とあまり心配し過ぎず、遊んでみるのがおすすめです。

目の内側のコーナーにもラインを引くと印象的な目元になる

――マスクをしながらのメークでの注意点は?

マスクを長時間することで、にきびや肌荒れを引き起こす“マスクネ”現象が頻発しています。これはマスクによって肌細胞が酸欠状態となってターンオーバーが乱れ、雑菌が溜まりやすくなっていることが原因です。

肌も呼吸が必要。できればファンデーションは使用せず、常に清潔な状態に保つのがベストです。日本人の肌はきれいなので、アイブロー、アイメーク、リップだけでも十分ですが、ファンデーションなしで外出や出勤することに抵抗があるという方も多いでしょう。そんな方は冬の乾燥対策という意味でも、保湿力のあるファンデーションを選んでみてください。資生堂の「シンクロスキン」は優秀なのでおすすめです。ただ過剰に塗布し過ぎると、ヨレたりマスクに付きやすくなってしまうので、少量を薄く伸ばすだけでOKです。またブルーベースのものは白浮きしやすいので必ず購入時にタッチアップで確認してみてください。

――注目のコスメアイテムはありますか?

「コサス」や「rmsビューティー」など、肌に有害な成分を排除し、環境に配慮した製品作りをコンセプトにする“クリーンビューティー”コスメが注目されています。肌に直接つけたり、リップなど口にしたりするものは、化学物質が含まれていない安全なものを選ぶ方が体や環境にもいいです。今後コスメを買う際は、クリーンビューティーかどうかチェックしてみましょう。

――コロナ禍でもメークを楽しむための秘訣は?

メークに対して日本人はついつい「こうでなければ」といった固定観念に縛られがちですが、メークに正解はありません。ニューヨークは多様なメークをする人が集まる街。かわいいと思ったメークを試してみることで自分の魅力の再発見や気分転換につながります。まだまだ落ち着かない状況ですが、思いのままにメークを楽しみましょう!

澤渡祥子さん

2016年に来米。
ニューヨークの名門メーク学校MUDにて資格を取得。
現在ニューヨーク在住で、有名ファッション誌の「ハーパースバザー」(タイ)、「ロフィシャル」(ロシア)など、インターナショナルに活動している。
Instagram:@shokomakeup

話題のコスメをチェック!

ここでは澤渡さんに聞いたおすすめのコスメをカテゴリー別に紹介する。今話題のブランドやアイテムをチェックしてみよう。


ファウンデーションーFoundation

マスクの下でもフレッシュな艶肌を持続
SHISEIDO

Photos by SHISEIDO

自分の肌色に合うファンデーションを米国で見つけるのは一苦労だが、「SHISEIDO」のベースメーク「シンクロスキン」シリーズなら、日本人の肌にも合いやすい色を幅広くそろえる。高いカバー力と持続力で、汗や皮脂による化粧崩れを防ぎながら、フレッシュな美肌をキープしてくれる。また、ニキビのもとになりにくい処方で、マスクへの色移りもしづらく、マスク着用生活にぴったりのアイテムだ。

シンクロスキン・セルフリフレッシング・ファンデーション・SPF30(30ml、47ドル)

shiseido.com

●ひとくちアドバイス●

資生堂が長年培ってきたスキンケア発想で作られた、潤いを持続してくれるファンデーションです。色を選ぶ時は、まず自分の肌に合いそうな3色を顔の中心にのせてみて、一番なじむ色を選ぶようにしてみてください。塗布時は、顔の中心から外側に広げるように塗り、特に気になる部分には、トントンと優しく叩き込みながら重ね付けすると、ファンデーションの持ちや仕上がりが良くなります。肌をフレッシュに仕上げることで、マスクの上からでも格段に顔印象がアップしますよ!

アドバイスしてくれたのは…

木水恵梨奈さん
資生堂アメリカズ グローバル・マーケティング・ディレクター


アイシャドーーEyeshadow

プロも御用達の優秀アイシャドーに注目
NATASHA DENONA

Photos by NATASHA DENONA

20年以上のキャリアを持つメーキャップアーティストのナターシャ・デノナが立ち上げた、日本未上陸の注目ブランド。澤渡さんによると、「いろいろなアイシャドーを比較した上で一番質が良かったブランド」とのこと。最近は「セフォラ」でも大きく取り扱われるなど注目度は大。写真はマット、メタリック、デュオクロームの3つの質感をそろえたゴールド系5色のミニ・アイシャドー・パレット。細かい粒子でムラになりづらく、高発色と持続性をかなえる。プロ仕様のアイテムも豊富だが、手頃なものでは25ドルからと手が届きやすいのも魅力。

ミニ・ヌード・アイシャドー・パレット(25ドル)

natashadenona.com


アイライナーーEyeliner

高発色ペンシルで目元を華やかに
KIKO MILANO

Photos by KIKO MILANO

ミラノ発の人気のプチプラコスメ、「キコミラノ」は、幅広いカラーペンシルライナーをそろえているので、トレンドのカラーアイラインを取り入れるのにぴったりだ。人間工学に基づいた握りやすいグリップで、粘膜と上まぶたの際にも滑らかで均一なラインを描きやすく、濃密な発色で鮮やかな目元を演出する。全17色で、マットとパール仕上げの2種から選べる。写真は深みのあるスパイシーバーガンディー。

ラスティング・プリシジョン・オートマティック・アイライナー・アンド・コール(10.99ドル)

kikocosmetics.com


リップーLipstick

スキンケアとメークをかなえる万能リップはこれ
KOSAS

Photos by KOSAS

「コサス」は2015年に科学者でもあるシーナ・ヤイタナスによって誕生した、話題のクリーン・ビューティー・ブランド。「スキンケアしながらメークする」をコンセプトに、高発色でありながら、高保湿、ビーガン、グルテンフリー、ミネラルオイルフリーをかなえた、安心して使用できるコスメをラインアップする。リップは原材料にマンゴー・シード・バターやホホバオイルなどを配合。クリーミーなテクスチャーで一日中つけていても乾燥しづらい。おすすめは写真の「フリンジ」で、日本人の肌色にもなじみやすいレッドカラーだ。

ウェートレスリップスティック(28ドル)

kosas.com


ハイライトーHighlighter

エコサート認証成分で肌に輝きをプラスしよう
LIVE TINTED

Photos by LIVE TINTED

南アジア系アメリカ人である美容系YouTuberが2018年に創設したブランド。あらゆる人種や肌の色に配慮したカラーシェードとデジタル世代の意見を取り入れたユニバーサルなビーガンコスメを展開する。同ブランドのリキッドタイプのハイライター兼モイスチャライザーは、エコサート認証済みのサステナブルな保湿成分スクワランを50%も配合。一塗りでパールの自然な輝きを顔やボディーにプラスできる。素肌でもメークの上からでも使用できるので、乾燥しがちな冬に持っておきたい一品だ。

ヒューグロウ(50ml、34ドル)

livetinted.com


自分のメークに困ったら…

プロにレクチャーしてもらおう

「セフォラ」では、人気の対面メークアップサービスを昨年夏から再開している。店頭でプロの美容アドバイザーがポイント&フルメーク、自分では使いこなせないコスメの使い方をレクチャーしてくれるので、メークに悩んだら頼ってみてはどうだろう。料金は、30分30ドル、60分60ドル、90分90ドル(店舗によって受付メニューが異なる)。まずはウェブサイトで事前予約を。

店舗検索&予約はウェブサイトから
sephora.com

メイク前後の保湿はマスト!
おすすめスキンケアアイテム

ただでさえ乾燥しがちなニューヨークだが、アメリカのトナー(ふき取り化粧水)は主に角質除去などが目的なので、実は保湿成分が配合されていないものが多い。ここで紹介する保湿性の高いアイテムを使って、しっかりスキンケアしよう。


洗顔

ヌビアン・ヘリテージ
ゴーツ・ミルク&チャイ・バー・ソープ(4.99ドル)

脂肪の分子が牛乳よりも細かいことから、浸透力や保湿力が高いと言われるヤギのミルクを使用したゴートミルク石けん。抗酸化物質やビタミン、ミネラルの天然の栄養素を豊富に含み、これで洗顔するだけですべすべで潤いのある肌になる。ニキビケアや乾燥肌、敏感肌にもおすすめだ。近くのホールフーズでも手に入れられる。


保湿

キールズ
デイリー・リファイニング・ミルクピール・トナー(200ml、47ドル)

透明な液と乳液が2層になったふき取り化粧水。アジア人の肌を考慮して開発されたもので、しっかり保湿しながら洗顔で落としきれなかった毛穴の汚れや古い角質を優しくピーリングして肌を磨いてくれる。アーモンドミルクやスクワランなどを配合。使用後はつるつるの肌触りに。

コスメショップに行ってみよう!

今注目のクリーン・ビューティー・コスメが手に入る、市内のコスメショップを紹介する。


ニューヨークは、世界中から人気コスメや新ブランドが集まるコスメショップの激戦区だ。中でも最近は、クリーンビューティーに特化した店舗が存在感を発揮している。

クリーン・ビューティー・コスメの先駆けともいえる専門ショップ「クレド・クリーン・ビューティー」や感度が高い人に人気の「デトックスマーケット」に加え、定番の「セフォラ」でも「クリーン・アット・セフォラ」プログラムに力を入れ、「イリア」や「コサス」「タワー28」など多数のクリーン・ビューティー・ブランドを取り扱っている。現在店頭の至る所で緑色のマークの付いたコスメコーナーを見つけられるだろう。また、昨年7月にオープンした「アリュールストア」でも販売されるなど、専門店に限らずいろいろな所で手に入れられるようになっている。

そもそもこの「クリーンビューティー」の概念はまだ明確な定義がないといわれているが、主に「人体に悪影響をもたらす化学物質などを含まない」「環境に配慮した製品作りや理念を持つ」「動物が犠牲になる実験をしていない(クルエルティーフリー)」といった条件に該当するものを指す。やはり自分の肌に付けるものだから、せっかくなら安全で環境によいものを選んだ方が良いし、さらにそれがエコでサステナブルな取り組みにつながるのなら一石二鳥だろう。

化学合成成分を含んでいないとはいえ、最近のクリーン・ビューティー・コスメには高発色でハイパフォーマンスなものがたくさん登場している。ぜひ実際にショップに足を運び手に取って、お気に入りのコスメを見つけてみよう。


最新のクリーンコスメを取りそろえる
Credo Clean Beauty

いち早くクリーンビューティーに目を付け、2015年から専門店として全米展開しているのが「クレド・クリーン・ビューティー」。市内にはソーホーとアッパーイースト、ブルックリンの3店舗を構える。

同店は独自の厳格な基準を設け、化粧品に含まれるべきでない2700以上もの有害物質をリストアップし、その成分を含まないコスメだけをセレクトしている。ちなみに有害物質として制定されている成分は、ヨーロッパ基準で1300種、アメリカ基準ではたったの30種しかないというから、その厳格さは一目瞭然といえるだろう。

注目の「ジョンズロード」。市内ではここでしか手に入らない

明るい店内には、その基準で厳選されたメーキャップ製品から、スキンケア、フレグランスまで幅広いアイテムがずらりとそろう。モデルやセレブに人気の「ウェストマンアトリエ」や、スキンケア成分が豊富なメークアイテムを展開する「イリア」、また、有名メーキャップアーティストのボビイ・ブラウンが最近立ち上げた新コスメブランド「ジョーンズロード」も、同店がいち早く独占販売している。

クリーン・ビューティー・コスメについて知識がなくても、ショップに足を踏み入れるだけで、女子心をくすぐるコスメにたくさん出会えるので、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

Credo Clean Beauty
9 Prince St.
917-675-6041
credobeauty.com


デジタル技術を駆使した体験型ショップ
Allure Store

ローワーマンハッタンにある「アリュールストア」は、美容雑誌の「アリュール」が手掛ける初の実店舗としてオープンした。

店内で販売される商品は、同誌編集部や美容家らによるセレクションで、商品棚は単なるカテゴリー別でなく、雑誌で実際に掲載された見出しを添えてカテゴライズするなど、同誌の世界観を余すことなく踏襲。誌面やウェブサイトで紹介された商品から、同誌の「アリュール・ベスト・オブ・ビューティー・アワード」受賞商品まで、美のプロに選ばれたコスメ群だから、どの商品を手に取っても間違いないのがうれしい。

「14eコスメティクス」のアロエ・ナリッシュ・ファンデーションも人気

また店内に、最新のデジタル技術を導入しているのも特徴的だ。店内のあらゆる場所にタブレット端末やバーチャルで製品を試すことができるスマートミラーを設置。非接触でメークを試せるのでコロナ禍でも安心だろう。また製品情報ページに飛べるQRコードが各製品に添えられ、直接スマホでのオンライン会計も可能となっている。

「キーアワイス」や「14eコスメティクス」など、クリーン・ビューティー・コスメをはじめ、メーキャップ、スキンケア、ヘアケア、ボディーケア、美容機器までの全方位的なアイテムのラインアップが同店の魅力。広々とした空間で、近未来型の買い物体験を楽しもう。

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Allure Store
191 Lafayette St.
855-917-4127
allure.shop


日本の化粧品が欲しくなったら…
ジャパニーズコスメショップリスト

「とはいっても使い慣れた日本のコスメが恋しい…」という人は、ここに行けばアメリカ未上陸のコスメを手に入れることができる。

レイワタキヤ

イーストビレッジにある、市内最大級のジャパニーズコスメを取りそろえる店。以前は「Shibuyala」の名前だったが、店名を一新。コスメやスキンケア、ヘアケアアイテムなど、日本の若者の間で流行っているアイテムなどをいち早く日本から直輸入している。

reiwatakiya
37 St. Marks Pl.
917-265-8975
reiwatakiya.co


ウメコスメ

イーストビレッジ店は閉店し、現在はヘラルドスクエアで営業中。米国未上陸の「RMK」「THREE」など、日本のコスメ好きにはたまらないアイテムを取りそろえている。他にも人気の韓国コスメなども扱うので要チェック。

UME COSME
1265 Broadway
917-409-0378
Instagram:@umecosmenyc


テソライフ

日本製の日用品、コスメ、食品、医薬品など、驚くほど豊富な品数を扱うドラッグストア。メークコーナーには、「スック」「KATE」「キャンメーク」「デジャブ」などの定番アイテムがずらり。まるで日本にいるような気分で買い物ができるショップだ。

Teso life
1265 Broadway
917-409-0462
tesolife.com

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