横浜のカピバラ施設が存続ピンチ コロナ禍で来園者激減 クラファンで支援呼び掛け

飼育しているカピバラをなでる内山茂代表(奥)=横浜市都筑区

 カピバラとの触れ合いが楽しめる施設「カピバランドPUIPUI」(横浜市都筑区荏田南)が、苦境に陥っている。新型コロナウイルス禍で来園者数が半数以下に激減したためだ。高温多湿な気候を好むカピバラの飼育には多額の光熱水費がかかり、このままでは存続も危ぶまれるという。1月からクラウドファンディング(CF)で支援金を募っている。内山茂代表(57)は「カピバラの窮地を救って」と呼び掛けている。

 カピバランドは、子どもたちの健全育成などを目的に2018年4月に開園。市内のペットショップから引き取った3頭のカピバラを飼育し、餌を与えたり触ったりできる。外国人観光客にも人気で、19年は4534人が来園した。

 ところが、コロナ禍が直撃した20年に状況は一変した。3月から半年間の休業を余儀なくされ、再開後も外国人観光客の姿は皆無に。20年の来園者数は1786人に落ち込み、21年はやや回復したものの2096人と苦境が続く。

 さらに追い打ちをかけているのが、施設の維持管理費だ。カピバラの生態に合わせて高温多湿な室内環境を保つため、空調設備は24時間稼働させねばならず、温水浴をさせるため多くの水も使用する。こうした光熱水費に加え、餌代やごみ処理費用、施設建設費の返済、スタッフの人件費などで、1カ月の支出が100万円を超えることもあるという。

 内山代表は「これまで何とか貯金を切り崩してやってきたが、いよいよ苦しくなってきた。今春には限界を迎える恐れがある」と打ち明ける。

 窮地を乗り切るため、内山代表は1月からCFで支援金の募集を開始。目標金額を2300万円、1口1万円~に設定し、返礼品にはカピバラをあしらったオリジナルタオルやステンドグラスなどを用意した。会員制交流サイト(SNS)で発信したところ、米国や英国、ロシアのファンからも支援金が寄せられたが、2月10日時点の支援総額は123万円と伸び悩んでいるという。

 今後は1口2千円のコースを追加設定することも検討中で、内山代表は「3匹はわが子同然。この子たちのかけがえのない命を救ってほしい」と話した。

 CFは大手サイト「CAMPFIRE」で実施中。募集期間は3月中旬まで。問い合わせは、メール(capybarapuipui@gmail.com)で。

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