最速153キロの剛腕サイドに芽生えた欲「自分も1軍で」 まだいるロッテの“朗希世代”

ロッテ・横山陸人【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

ロッテ横山陸人は入団時148キロだった球速が153キロにアップ

1軍でキャンプをスタートしたロッテの3年目・横山陸人投手。サイドから最速153キロの直球を投じる右腕は、初の開幕1軍入りを目指してアピールを続けている。

昨季は5月26日の阪神戦(甲子園)で1軍デビューを果たし、計10試合に登板。今季は1軍定着を目標に掲げる。「去年は思い切ってやるだけでしたが、今年はしっかり考えて投げようと思っています。打者の反応だったり、そういうところをもっと見ながらやっていきたいと思っています」。年齢も20歳になり、今季は“大人の投球”を目指していく。

一昨年から取り組んできた体づくりが実を結び、直球の最速は148キロから153キロに。平均球速も142キロから147キロまで上昇した。「これを鍛えたというところはないんですけど、体重も増えましたし、そこが球速アップに繋がったのかなと思います」。入団時から体重は10キロ増えて87キロに。持ち味の直球に磨きがかかった。

5月30日の広島戦(ZOZOマリン)では西川龍馬外野手から直球のみで3球三振を奪うなど、自分のボールに自信を持つこともできた。「しっかり指にかかったボールはファウルや空振りを取れたんですけど、フォームのバランスが崩れてしまうと甘く入ってホームランだったり長打にされてしまうので、そういうところは注意しながら投げていきたいと思います」。オフには目標の存在でもある益田直也投手とトレーニングを行い、1年間戦い抜く体力づくりに励んだ。

ロッテ・横山陸人【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

昨季本格導入したシンカーに手応え「コースに決まると効果的」

サイド右腕のため、ボールを長く見ることができる左打者に打たれてしまうケースが多く、昨季シンカーを本格導入した。「コースに決まると効果的。キャンプでも試していければと思っています」。シンカーを武器にする益田、佐々木千隼投手らチームの先輩から握りやリリースの感覚についてアドバイスをもらい、より自信の持てるボールに進化させていく。

昨年は同期の佐々木朗希投手や、中学時代に全国大会の決勝で対戦したヤクルト奥川恭伸投手が飛躍を遂げた。「同級生が活躍しているのを見ると自分も同じ1軍の舞台で活躍したい、試合に出たいと強く思います」と目をぎらつかせる。

チームは2年連続の2位。あと1歩を掴み取るために、若手の台頭は必要不可欠だ。「まずは1軍の試合で投げないと貢献できないと思います。自分の中での目標は1年間1軍で投げ続けて、その中でも勝ち試合だったり、負け試合でもしっかりゼロで抑えたりすることが大事になってくると思うので意識してやっていきたいです」。まだまだ伸びしろたっぷりのサイド右腕は、更なる成長を目指す。

○横山陸人(よこやま・りくと)2001年8月5日、東京都江戸川区出身。20歳。江戸川区立上一色中時代は軟式野球部で投手として活躍。3年夏の全国大会では決勝まで勝ち上がり、奥川恭伸(ヤクルト)と投げ合うも敗れ、準優勝。専大松戸高では1年時からベンチ入り。2年秋からエースとして活躍し、3年春には千葉県大会準優勝。2019年ドラフト会議でロッテから4位指名を受け入団。179センチ、87キロ。右投げ右打ち。

【動画】サイドから放たれる150キロ超えの直球 昨季1軍デビューを果たした横山の投球動画

サイドから放たれる150キロ超えの直球 昨季1軍デビューを果たした横山の投球動画【動画:パーソル パ・リーグTV】 signature

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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