酒かすでチーズケーキとカステラ 佐野日大短大生が菓子開発、限定販売へ

酒かすの焼き菓子をPRする杉尾さん(右)と佐取さん

 【佐野】佐野日大短大栄養士フィールドの2年生が、卒業研究の一環として酒かすを使った2種類の焼き菓子「酒粕(かす)チーズケーキ」と「酒粕てら」を開発した。市内の和菓子店の協力で製品化し、19、20の両日、酒かすを提供した田島町の第一酒造で限定販売する。同じ発酵食品であるみそを加え味に深みを出したのが特徴で、フィールドの関係者は「オープンキャンパスなどの校内イベントでも提供できれば」としている。

 同フィールドが卒業研究として商品開発に取り組むのは初めて。藤田睦(ふじたむつみ)教授から「酒かすを使ったお菓子の開発」とテーマを示された学生たちは、昨年4月から試作を重ねた。

 オリジナルのチーズケーキとカステラ作りを決めた学生たちの最初の課題は「味のインパクトをいかにつけるか」だったという。チーズケーキを担当した杉尾佳美(すぎおよしみ)さん(20)は「同じ発酵食品ということで紅茶なども試したが、みそとの相性が想像以上だった。みそと酒かすの配分を何回も変え、滑らかな食感を実現させた」と振り返る。

 佐取詩音(さとりしおん)さん(20)は栄養学の視点で、「ビタミンB群を多く含んだ発酵食品の組み合わせで美肌効果なども期待できる」と説明する。

 学生たちのプレゼンテーションを受け、吉水町の「味噌(みそ)まんじゅう新井屋」がレシピを製品化した。野部武典(のべたけのり)社長は「酒かすを使うスイーツは味のバランスが難しいが、おいしく出来上がった」と太鼓判を押す。

 開発を見守ってきた藤田教授は「ゼロからのスタートで、企画や試作、プレゼンなど全て学生が行ってきたが、短時間でよくここまでできたと思う。この経験を今後に生かしてほしい」と総括した。

 販売は第一酒造で開催される「蔵開き」で行われ、価格は二つの焼き菓子1個ずつのセットで440円。

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