農業維持へ来春合併 小林9土地改良区が予備契約

合併予備契約書に調印した小林市内9地区の土地改良区理事長ら

 小林市内9地区の土地改良区は8日、2023年4月の合併へ向けた予備契約を結んだ。農家の減少や高齢化が進む中、合併によって組織の運営効率化や財政強化を進め、既存の各土地改良区が管理する水路などの農業基盤を将来にわたり守っていく。
 合併するのは市内12地区の土地改良区のうち、出之山、保揚枝原、宝光院、長者井堰、堤、黒沢津、市谷、平川、巣ノ浦の9地区。合併後の名称は「小林市土地改良区」で、受益地面積475ヘクタール、組合員1100人の大規模組織となる。
 合併によって役員数が減ることで高齢化が進む組合員の負担が減るほか、農業基盤の維持に伴う国からの補助増額などが見込める。当面は現在の土地改良区ごとに施設管理を続けるが、将来的には地区を超えて草刈り作業などの人手を融通し合うという。
 今後は各地区が所有する財産の確認や規約の作成を進め、各地区での承認を経て合併が正式に決定する。同市の県西諸県農業改良普及センターであった調印式=写真=で、保揚枝原土地改良区の大部実男理事長は「地域の農業発展のために、各地区一丸となって取り組んでいきたい」と話した。

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