【日本最古を探せ】クラシックホテル第1号!明治開業の「日光金谷ホテル」

「日本最古」のスポットは史跡・名勝だけでなく、日常の意外なところにも潜んでいるものです。ホテルや遊園地、喫茶店など、数百年の時を重ねながら現在まで脈々と続く、歴史ある場所を発掘してみました。今回は明治時代に開業した日本最古のホテル「日光金谷ホテル」を紹介します。

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「1873年」開業のクラシックホテル

【日光金谷ホテルの歩み(抜粋)】

1873年(明治6年):外国人向け宿泊施設「金谷カッテージ・イン」開業

1893年(明治26年):本格西洋式ホテル「金谷ホテル」として営業を開始

1901年(明治34年):新館落成

1916年(大正5年):ホテル内にスケートリンクを設置

1935年(昭和10年):別館を落成

1936年(昭和11年):プールを新設

1961年(昭和36年):第二新館を落成

2003年(平成15年):百年カレーや大正コロッケなどを復刻

2005年(平成17年):本館、新館、別館、竜宮が国指定登録有形文化財に登録

2007年(平成19年):近代化産業遺産に認定

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日光東照宮のほど近くにある「日光金谷ホテル」は、現存する日本最古のリゾートホテル。1873年(明治6年)に開業した、外国人向け宿泊施設「金谷カッテージ・イン」を前身とし、20年後の1893年に本格西洋式ホテルとして営業を開始したのが始まりです。

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開業当時は2階建て洋室30室の建物で、1902年に栃木県で最初に電話に加入。その後、ドイツシーメンス社製の自家用水力発電所の設置をはじめ、外国製洗濯機の導入や、ボイラー室の設置で客室給湯やスチーム暖房をと入れるなど、当時としては革新的な設備とサービスで、まさに明治の文明開化を体現するかのような空間でした。

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大正時代や昭和初期にはスケートリンクやプールも建設し、古き良き時代の社交場として栄えた当ホテル。1922年に英国皇太子殿下が宿泊したのをはじめ、外国王室や国内宮家も宿泊し、アインシュタインやヘレン・ケラーなどの著名人も訪れたといいます。

【訪れた主な著名人】

アルベルト・アインシュタイン

ヘレン・ケラー

インディラ・ガンジー

白洲次郎

湯川秀樹

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本館1階ロビーに隣接した展示コーナーでは、歴代の著名人の宿泊記録の一部を見ることができますよ。

歴史的価値の高い建物は「有形文化財」にも

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2005年には日光金谷ホテルの本館、新館、別館、竜宮が、国指定登録有形文化財に登録。さらに、2007年には近代化産業遺産にも認定されました。

館内には彫刻や調度品が随所に散りばめられ、歴史や伝統の重みを感じさせるシックで落ち着いた雰囲気。まるで時間旅行をしているような気分が味わえます。

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瀟洒(しょうしゃ)な装飾が施された回転扉は、昭和初期、本館の改築以前より使用されていたもの。メインダイニングや食堂欄間など、館内のあちこちに彫刻があり、美術館のような楽しみ方もできますよ。

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1935年(昭和10年)に建てられた別館は、日本文化と西洋文化がミックスされた歴史浪漫溢れる空間。入り口に施された獅子と虎の彫刻や、木とガラスの扉の美しさに目を奪われます。

レトロなレストランで味わう伝統の西洋料理

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「小食堂」は1893年(明治26年)当初、ダイニングルームとして使用されていた場所。現在はパーティルームや会議場として利用されています。天井には「花鳥風月」が描かれ、柱には牡丹の花の彫刻、壁には十二支の彫刻などの装飾が施され、どこを切り取っても絵になります。

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メインダイニングルームは、明治時代はホテルロビーだった場所。1936年(昭和11年)の改装時に現在の姿に生まれ変わりました。室内の装飾もさることながら、窓の外の自然との調和も本当に美しく、食事がさらにおいしく感じられそうです。

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レストランでは1873年の創業から140余年の歴史と伝統を受け継ぐ料理が楽しめます。

その代名詞ともなるのが「虹鱒のソテー金谷風」。当時、日本の料理人にはなかった西洋料理の知識や技術を、直接外国人から教わり試行錯誤しながら作ったといわれています。そうした背景を踏まえながら完成した伝統料理の数々。金谷ホテルの料理は「変わらぬ味」がコンセプト。明治時代から100年以上たった今もなお、当時と変わらぬ姿と味で提供されています。

時の流れが織りなす歴史と風情と。そして時を経ても変わらない伝統のスタイルで私たちを迎え入れてくれる「日本最古」のクラシックホテル。特別な日や非日常を体感したいときにぜひ行ってみたい場所です。

日光金谷ホテル

住所:栃木県日光市上鉢石町1300

電話:0288-54-0001

URL:https://www.kanayahotel.co.jp/

参考:とちぎ旅ネット

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