児童虐待の通告が過去最多の10万人超…心理的虐待と性的虐待が増加

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、過去最多となった“児童虐待通告”について取り上げました。

◆昨年の児童虐待通告は過去最多の10万8,050人

警察庁が公表した昨年の「犯罪情勢」によると、虐待の疑いで児童相談所に通告された18歳未満の子どもの数は、過去最多の10万8,050人。通告された児童を状況別に見ると、暴言などの心理的虐待が8万299人、身体的虐待が1万9,185人、性的虐待が296人などとなっており、前年と比べ心理的虐待と性的虐待が増えています。警察庁は新型コロナの流行で子どもを見守る機会の減少が懸念されると指摘した上で、「引き続き虐待に繋がりうる情報把握につとめる」としています。

◆もっと社会全体で"子育て”を

このニュースを聞き、平和教育を研究する東京大学2年生の庭田杏珠さんは「コロナ禍で家にいる時間が増え、虐待も増えていると思う」と推察し、そのなかでできることとして「学校の友達でもいいし、声をかけてあげること」と言います。

また、今回は児童福祉法も改正となりましたが、庭田さんはそのなかの1つ、児童養護施設の自立支援を受けられる年齢制限が外れたことに関しても言及。「施設から出た後の支援が切れてしまうことで、またつらくなるという連鎖が起こることもあると思うので、その辺りを注視していきたい」と案じます。

一方、アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんは「児童虐待は、家庭を支援していくしか解決策がないのではないか」と持論を述べます。

例えば、現在各地で新型コロナの第6波による学級閉鎖が起きていますが、子どもが家にいるとなると、親も仕事を休まざるを得ません。そうしたときに政府から会社を経由して休んだ分の賃金を払う仕組みがあるものの、これが会社の同意がないと受給できないことから、会社の了解が得られず困っている声がある実状に触れ、「まずはこの制度を変えてほしいし、そうしたところからひとつずつやっていって虐待は減っていくと思う」と阿部さん。

生理への理解を広げる団体「#みんなの生理」共同代表の谷口歩実さんも、「バイトやパートなど(制度に)当てはまらない人がいる」と指摘した上で「もっと社会全体で子育てしていくべき」と主張。

「"親ガチャ”という言葉もあるが、家庭に閉じこもって子育てするのではなく、社会のみんなで育てていく、そういう環境が物理的にも制度的にも整えば」と願っていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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