驚異の飛距離に球拾い四苦八苦 小6ですでに36発、ヤクルトJr.選出の逸材スラッガー

「小林キラーズ」で捕手を務める小学6年生・中嶋蒼空(なかじま・そら)くん【写真:川村虎大】

神宮球場でスタンドに届く特大ファウル放った中嶋蒼空くん

軽く振り抜いた打球が柵を越え、林に消えていく。千葉県印西市で活動する少年軟式野球チーム「小林キラーズ」で捕手を務める小学6年生・中嶋蒼空(なかじま・そら)くんは、東京ヤクルトスワローズジュニアにも選出されたスラッガーだ。あまりの飛距離に打撃練習では、チームメートが柵の後方に守る。

【実際の動画】本塁打連発にチームメートも柵の後方へ…スワローズJr.中嶋蒼空くんの衝撃の打撃練習

昨年末に行われた小学生の軟式野球大会「NPB12球団ジュニアトーナメント」。優勝したドラゴンズジュニアの小久保颯弥くんが神宮球場の左翼席中段まで打球を飛ばし、大きな注目を集めたが、引けを取らない打球を飛ばしていたのが中嶋くんだ。

「入っていれば、勝ってたなあ」

衝撃の一打は、神宮球場で行われたイーグルスジュニアとの予選2試合目、2点を追う4回2死満塁での打席だった。カウント3-0から思い切り引っ張った打球は大会用に設置された柵をはるかに越え、右翼席中段まで飛んだ。しかし、惜しくもポールの右側。満塁弾にはならず、次の投球で一ゴロに倒れた。

「少し体が開くのが早かったんですよね……」。悔しかったが、全国の舞台で自分の実力を知ることができた。「とても楽しかった」と振り返る。

昨年12月のジュニアトーナメントでは本塁打を放った【写真:川村虎大】

憧れは村上、夢はヤクルトのユニホームを着てプレーすること

父の影響で幼稚園の年長から野球を始めた。入団した小林キラーズの部員数は当時5人。試合を組めない状態だったが、逆に低学年から出場機会に恵まれた。高学年に上がるにつれ「遠くに飛ばしたい」という気持ちが強くなった。

小林キラーズが「バントより本塁打を狙う」方針ということもあり、伸び伸び打つことができた。チームの球場の柵越えを目指して日々振り込み、5年生で待望の第1号。その後はアーチを積み重ね、約2年で計36本に達した。

7月、8月にかけて行われたスワローズジュニアのセレクションを受験し、見事合格。ヤクルトのユニホームに袖を通すことを決め、父の運転で毎週末、約1時間半かけて千葉・印西市の自宅から埼玉にある戸田球場に通った。

スワローズジュニアでは、ヤクルトOBの三輪正義コーチによるマンツーマン指導を受け「厳しかった」と本音も。しかし、全国からトップレベルの選手が集まる環境に自らを奮い立たせた。大会では決勝トーナメント進出はならなかったが、本塁打も放った。

将来の夢はプロ野球選手。村上宗隆内野手に憧れ、もう一度ヤクルトのユニホームを着ることが目標だ。「今度はファウルにならないように」。神宮球場で本塁打を打ち直すことを誓った。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

【実際の動画】本塁打連発にチームメートも柵の後方へ…スワローズJr.中嶋蒼空くんの衝撃の打撃練習

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