Vol.26 SXSW2022まもなく開催!先進的な映像表現が集まるXR Experienceの作品達を紹介[Future of Storytelling:これからのエンタメ予報]

世界最大級の複合カンファレンス・フェスティバルSXSW2022が、間もなく3月11日から開催されます。今年は3年ぶりとなる米国オースティン現地でのリアル開催と、オンラインを組み合わせたハイブリッドな形での初開催です。数えきれないほど多くのコンテンツがあるSXSWですが、その中でも毎年注目されるのが、最先端のAR/VRコンテンツが集まる"XR Experience"です。かつてはVirtual Cinemaと呼ばれていましたが、今年はより広範囲を包括する部門として生まれ変わります。今回は先日発表されたSXSW2022 Film Festivalのラインナップの中から、注目のVR映像作品をご紹介します。

1.地球生命の誕生から現代まで、進化の歴史を辿るタイムトラベル

Genesis

Director/Screenwriter: Joerg Courtial, Producer: Maria Courtial

地球誕生から現代までのおよそ47億年の歴史をVR映像として表現した作品。視聴者はタイムトラベラーとして映像の中に入り込み、生命誕生の神秘や生物の進化の歴史を目撃する事ができる。

2.現実とゲームが混ざり合う様子を描いたアニメーション

Goliath: Playing with Reality

Directors: Barry Gene Murphy, May Abdalla, Screenwriter: Barry Gene Murphy, Producer: Anetta Jones

統合失調症と診断された男性がオンラインゲームの世界に居場所を見つけ、次第に現実とゲームが混ざり合うといった視点を体験できるVRアニメーション作品。

3.2090年の熱帯雨林を守る事ができるか?

Gondwana

Director: Ben Joseph Andrews, Producer: Emma Roberts

オーストラリア北部のデインツリーという地域の熱帯雨林の様子をVR内で再現し、今後2090年までの変化の様子をシュミレーションしている。VR作品を体験する人が増えれば増えるほど、実際の熱帯雨林の保護活動に繋がり、それが映像にも反映されて変化するというインタラクティブなインスタレーション。

4.目には見えない自然の神秘を体験する

Liminal Lands

Director: Jakob Kudsk Steensen, Producers: Erratic Animist, Liz Kircher

自然界を構成する風や水、大地の元素に成り代わり、フランス南部に広がるカマルグ湿地帯を旅するVRアニメーション作品。目には見えない世界を体感する事で、自然の神秘を感じる事ができるという。

5.日常における個人データの搾取を見える化

Persuasion Machines

Directors: Karim Amer, Guvenc Ozel, Screenwriters: Karim Amer, Daniel Claridge, Bits Sola, Producers: Ricky Berrin, Elizabeth Woodward, Jess Engel, Danielle Oexmann

ビッグテック企業によるデータ監視社会の問題を描いて話題となったNetflixドキュメンタリー「The Great Hack」の作者によるVR作品。私達の生活の中でどのように個人情報が搾取されているのか、VRで可視化して体験する事ができる。

6.崩壊する国際貿易センタービルからの生存者

Surviving 9/11 – 27 hours under the rubble

Directors: Chloé Rochereuil, Victor Agulhon, Producer: Victor Agulhon

生存者の体験談から、崩落する世界貿易センタービルの内部の様子や、瓦礫の下で救助を待つ体験を再現したVRドキュメンタリー作品。911から20年の節目となる2021年に制作された。

まとめ

VR映像作品は最先端のテクノロジーと、表現のクリエイティブが融合する分野として、SXSWのテーマともいえる"コンバージェンス"を体現していると言えます。また、現実にある社会課題を描き、問題提起を行うドキュメンタリー作品の発表の場としてもSXSWでは注目されています。今回紹介した以外にも、多くの映像作品がラインナップされていますので、是非

こちら

からご覧ください。会期後には、実際にSXSW現地で体験したレポートもお届けできればと思います。

SXSW2022ではオンラインで行われる

SXSW Online XR

でも、多くのVR作品が視聴できるようになる予定です。SXSW Japan Officeを務めるVISIONGRAPH Inc.では、日本からオンラインで参加される方向けに、枚数限定の

「Japan Office特典付きオンラインパス」

を販売しています。事前学習動画と事後レポートをセットにして、お得な価格でオンラインパスをご購入いただける日本限定の特別企画です。今年はご自身でSXSWのクリエイティブな文化を体験してみませんか?多くの方のご参加をお待ちしています。

© 株式会社プロニュース