フォーミュラE第3戦でポルシェ初勝利。ウェーレイン&ロッテラーが1-2フィニッシュを達成

 2月13日、2021/2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”の第3戦となるメキシコシティE-Prixがメキシコで開催され、パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)が勝利し、ポルシェにフォーミュラE初優勝をもたらした。

 1月29~30日にサウジアラビア・ディルイーヤで開幕を迎えたフォーミュラEシーズン8。第1戦はニック・デ・フリース(メルセデスEQフォーミュラEチーム)、第2戦はエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)がレースを制し、メルセデスパワートレイン勢が強さを見せている。

 そんななか迎えた第3戦で速さを見せたのはポルシェ陣営となり、ウェーレインが対戦形式の予選を勝ち進みポールポジションを獲得、チームメイトのアンドレ・ロッテラーも3番手に入る活躍を見せた。

 45分+1周の決勝レースでは、序盤の5分間はウェーレインを先頭に、モルタラ、ロッテラー、ジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(DSテチーター)、デ・フリースが続く展開に。

 6周目には2番手のモルタラが1コーナーでウェーレインのインに飛び込んでトップに浮上し、その後方ではベルニュが追い上げを見せ、まず3番手ロッテラーをかわし、その勢いのまま2番手ウェーレインもオーバーテイクしてみせる。

エドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)

 その後もモルタラがレースをリードしていたが、エネルギーを節約しなければならないためペースが上がらず、トップ6台はわずか2.2秒差で残り15分を迎える。そして25周目、3番手につけるウェーレインがターン2でベルニュをパスし、ロッテラー、フラインスもこれに続く。

 その2周後には、2台のポルシェがトップのモルタラを抜いて1-2を構築すると、その後はペースとエネルギーマネジメント両面で主導権を握り、チェッカーフラッグが振られたときには、ウェーレインとロッテラーは後続に9秒もの差をつけ1-2フィニッシュを達成。2019/20年シーズンよりシリーズに参加しているポルシェにとって初勝利となった。

 自身とチームにフォーミュラE初優勝をもたらしたウェーレインは、「ここメキシコで、僕とチームのために初勝利を挙げることができて、本当に満足している。このチームには本当に感謝しているし、本当に大好きだ。クルマも素晴らしいし、アンドレ(ロッテラー)も素晴らしい仕事をしてくれた。今日は僕らの日だから、今晩はお祝いしよう!」とうれしさを語る。

 2位のロッテラーは、「チームとパスカル(ウェーレイン)におめでとうと言いたい。エネルギーが余っていたからリードするチャンスはあったけど、チームと協力して作戦はとてもうまくいったと思う。もし僕が前からスタートしていたら同じような展開になっていただろうね!」と、ウェーレインを祝福しながらも少し悔しさをのぞかせた。

 ポルシェ勢に続く3位表彰台にはベルニュが上がり、ダ・コスタが4位に入ってDSテチーターが3-4フィニッシュとなり、レース序盤にリードを見せたモルタラは5位でチェッカーを受けている。フォーミュラEの次戦は4月9~10日にイタリア・ローマで第4戦、第5戦がダブルヘッダーで開催される予定だ。

パスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)
アンドレ・ロッテラー(タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム)
ニック・デ・フリース(メルセデスEQフォーミュラEチーム)
セバスチャン・ブエミ(ニッサンe.ダムス)
2021/2022年フォーミュラE第3戦メキシコシティE-Prix

■順位結果&ダイジェスト

■【順位結果】2021/2022年フォーミュラE第3戦メキシコシティE-Prix

Pos. No. Driver Team Laps QF

1 94 P.ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 40 1

2 36 A.ロッテラー タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 40 3

3 25 J-E.ベルニュ DSテチーター 40 4

4 13 A.F.ダ・コスタ DSテチーター 40 5

5 48 E.モルタラ ロキット・ベンチュリ・レーシング 40 2

6 17 N.デ・フリース メルセデスEQフォーミュラEチーム 40 6

7 4 R.フラインス エンビジョン・レーシング 40 7

8 23 S.ブエミ ニッサンe.ダムス 40 18

9 22 M.ギュンター ニッサンe.ダムス 40 10

10 27 J.デニス アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 40 15

11 5 S.バンドーン メルセデスEQフォーミュラEチーム 40 8

12 11 L.ディ・グラッシ ロキット・ベンチュリ・レーシング 40 14

13 37 N.キャシディ エンビジョン・レーシング 40 9

14 3 O.ターベイ NIO 333フォーミュラEチーム 40 22

15 10 S.バード ジャガーTCSレーシング 40 17

16 30 O.ローランド マヒンドラ・レーシング 40 16

17 28 O.アスキュー アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 40 12

18 33 D.ティクトゥム NIO 333フォーミュラEチーム 40 21

19 9 M.エバンス ジャガーTCSレーシング 40 11

20 7 S.セッテ・カマラ ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ 40 20

NC 99 A.ジョビナッツィ ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ 21 19

NC 29 A.シムズ マヒンドラ・レーシング 1 13

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