フェラーリの2022年型『F1-75』は“扱いにくかった”前年のマシンより「反応がよくなっている」とサインツ

 カルロス・サインツはフェラーリの2022年型マシン『F1-75』をシミュレーターで試し、2021年の難しいマシンよりも反応がさらによくなっていると語った。

 フェラーリは2022年マシンの設計を早い段階から始め、2021年マシンの開発を中断することを決断。F1のグラウンドエフェクトを軸にした空力レギュレーションに対応した、完全に新たなマシンとなるF1-75の開発にほぼ全体的に重点を置いた。また、ハイブリッドパワーユニットを改善し、内燃機関を改良するための大規模な作業も行われた。

 サインツはイタリアの『Corriere della Sera』に対し、2022年のフェラーリマシンは「この数年で目にしたマシンとはまったく違う」と語り、“最高レベルの革新性がある”と認めた。

「昨年までF1史上最高のマシンに乗っていた。バランスは取れていたが、扱いにくかった」とサインツは語った。「一瞬でもコントロールを失うとクラッシュしてしまう」

「このフェラーリ(F1-75)はさらに反応がよくなっていると思う。サスペンションは硬い。ドライビングに慣れる必要があるね」

2021年F1第17戦アメリカGP カルロス・サインツJr.(フェラーリ)

 サインツは、フェラーリの新車を乗りこなすのにかかる時間は、マシンがどれだけ操作しやすいかによると語った。

「ドライブしやすければ、すべてが速くなる。マシン自体がラップタイムを出すようにだ」

「そしてデータを他のマシンと比較しなければならない。バルセロナでの第1回目のテストが十分だとは思わないが、(第2回目の)バーレーンでは最終的な情報が得られると思う」

 サインツのフェラーリでの初シーズンは、多くの人々を驚かせた。27歳のサインツはチームメイトのシャルル・ルクレールに対して苦戦すると考えられていたのだ。2021年シーズンの前半は一貫性を欠いていたかもしれないが、ルクレールとは同等の結果を出しており、時には彼より速いこともあった。1年の後半では、週末をうまくまとめ上げた時はルクレールを上回る結果を出すこともしばしばあった。

 しかしルクレールはフェラーリと2024年末までの契約を結んでいる一方、サインツは来シーズン以降の契約をまだ締結していない。

「(マッティア・)ビノットが言っているように、チームも僕も双方が満足していて、一緒にやっていきたいと思っている。この冬は合意に至るのによい機会だし、そうしようとしているところだ」

「フェラーリで世界チャンピオンになるのは、僕の最高の野望だよ。すぐにでも契約を更新したいと思う」

2021年F1第22戦アブダビGP カルロス・サインツJr.(フェラーリ)
2021年F1第21戦サウジアラビアGP カルロス・サインツJr.とシャルル・ルクレール(フェラーリ)

© 株式会社三栄