ヒュンダイのタナク、WRC開幕戦はリタイアも「ポテンシャルはある」と新車のペースに自信

 2019年のシリーズチャンピオンであるオット・タナクは、1月20~23日に開催されたWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロでリタイアを喫したものの、新車『ヒュンダイi20 Nラリー1』のペースに自信を持っている。

 ヒュンダイ・シェル・モビスWRTが誇る“ダブルエース”の一角として自身2度目の戴冠、ならびにマニュファクチャラー選手権タイトル奪還の使命を帯びるタナク。彼は先月のラリー・モンテカルロで、ヒュンダイ新型ハイブリッドマシンをドライブしたが、複数回のパンクに見舞われた上にコース脇の土手に突っ込んだことでラジエーターを壊し、競技3日目にラリーから退いている。

 この結果、ヒュンダイに移籍してからの3年間で3度目となる開幕戦リタイアを喫することになったタナクだが、彼は来たる第2戦スウェーデンを前に、ヒュンダイのプラグイン・ハイブリッドマシンが勝利を手にするのに充分なスピードを備えていることを確認したと考えている。

 彼は「クルマは速くなる」とWRC公式サイト『WRC.com』に語った。

「純粋なクルマのパフォーマンスで言えば、(ラリーに勝てる)ポテンシャルがあることを確信している」

「僕たちはモンテでは他の部分に問題を抱えていて、i20 Nラリー1のスピードと本来のポテンシャルをフルに発揮できなかったことを忘れてはいけない」

「それらの問題を取り除くことができれば、自分たちの立ち位置がより明確になるだろう」

「コンディションがもう少しトリッキーでより複雑だったならば、このクルマをライバルチームのラリー1カーと比較することができたと思う。僕たちには競争力があったんだ」

 タナクはいま、ノーポイントで迎えた2021年シーズン第2戦アークティック・ラリー・フィンランドで勝利を収めた12カ月前のように、ラリー・スウェーデンでの巻き返しを望んでいる。

 既報のとおり、開幕戦に引き続き3台体制でトップカテゴリーに挑むヒュンダイは2月24~27日、ウメオに拠点を移して行われるWRC第2戦スウェーデンにモンテカルロと同じ布陣で臨む。2度目のチャンピオン獲得を目指すタナクはもちろん、陣営としてもオリバー・ソルベルグのリタイア、唯一完走したティエリー・ヌービルの総合6位という第1戦の結果からの挽回を期す構えだ。

オット・タナク(ヒュンダイi20 Nラリー1) 2022年WRC第1戦モンテカルロ
ヒュンダイ陣営がWRC第1戦モンテカルロで獲得したポイントは、6位入賞+パワーステージで3ポイントを持ち帰ったティエリー・ヌービルの11ポイントのみ。タナクとソルベルグはリタイアでノーポイントに終わった。

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