アルファタウリF1『AT03』:過去最高の好調維持を目指す。レッドブルと同一スペックのパーツを使用、PUの性能にも自信

 スクーデリア・アルファタウリは、14日、2022年型F1マシン『AT03』の画像をオンラインで正式に披露した。チーム代表フランツ・トストは、新世代のマシンで、昨年の好調さを維持したいと述べている。

 2021年にアルファタウリは、2017年第15戦マレーシアGPで同チームの前身トロロッソからF1にデビューしたピエール・ガスリーと、ルーキー角田裕毅を擁し、コンストラクターズ選手権で過去最高点である142点を上げ、2006年のトロロッソ時代から通してのベストタイの6位を獲得。ガスリーはアゼルバイジャンGPで3位表彰台、角田は最終戦アブダビでは4位と、それぞれ光る走りを見せた。

 2022年にはF1技術レギュレーションが大きく変更され、新世代のF1マシンが登場するため、中団チームであるアルファタウリにとっても飛躍に向けた大きなチャンスとなる。パワーユニット(PU)は、昨年までのサプライヤー、ホンダがF1活動を終了したため、レッドブル・パワートレインズがホンダPUを引き継ぎ、アルファタウリもこれを使用する。今年に関してはホンダ・レーシング(HRC)が、PUの製造、組立支援、サーキットおよび日本におけるレース運営サポートを行うことが決まっており、『AT03』にはHRCとホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクトのロゴが入っている。

アルファタウリF1の2022年型マシン『AT03』

 チーム代表フランツ・トストは「2021年シーズンには全体的に満足している。過去最高のポイントを獲得することができたのだ」と語った。

「ファエンツァとビスターで働く強力なチームと、多数の素晴らしいパートナーたちと協力し合っており、2022年もこの好調を維持したいと考えている」

「まったく新しい技術規則が導入されたことで、すべてのチームがこの新世代のマシンをゼロから、つまり白紙の状態から設計しなければならなくなった。レギュレーションによってすべてが制限されているが、ひとつのチームが特別な解決策を見いだし、それによって性能的に優位に立つこともあり得る。メカニカルな部分から空力的な部分まですべてが新しいので、各チームの順位を予想するのは簡単ではない。だが、個人的には各車がより接近することを期待している」

「現実的には、スクーデリア・アルファタウリがどの程度のパフォーマンスを発揮するかは、最初のテストが終わってからでないと分からないだろう。そして、より明確に状況をつかむには、2戦か3戦が必要だと思う」

アルファタウリF1の2022年型マシン『AT03』

 チームのテクニカルディレクター、ジョディ・エギントンは、レッドブル・テクノロジーとの協働体制について「2022シーズンは、ギヤボックスや油圧系、リヤサスペンションなどのリヤエンドにおいてレッドブル・テクノロジーと協働した。従来とまったく同じ体制だ」と述べている。

「相違点は、これまではレッドブル・レーシングの1年落ちのパーツを使用してきたが、レギュレーション変更によって2022シーズンは両チームが同一スペックのパーツを使用することだ」

 また、エギントンは、AT03にはホンダのバッジこそ備わっていないが、基本的には昨シーズンと同じパワーユニットであると述べている。

「多くの部分が引き継がれている。我々はホンダの皆さんと引き続き協働できることを大変嬉しく思っている。スクーデリア・アルファタウリとホンダの関係は非常に良好だ。チームにとって素晴らしいパートナーシップだったし、いくつかの成功を得られたので、この関係を継続できることは喜びだ」

「同じパワーユニット担当チームと働いており、それが実を結んでいる。自分たちの現在地が分かっているし、お互いをよく理解できているのだ。このような継続はプラスしかもたらさない」

アルファタウリF1の2022年型マシン『AT03』

 トスト代表はパワーユニットについて「(ホンダがF1活動を終えたことによる)大きな変化はないと考えている」と語る。

「昨年、ホンダは素晴らしい仕事をしてくれたので、引き続き優れたパフォーマンスであることを期待している。燃料に大きな変化があり、今年からバイオ成分の比率が10%に増加する。その調査に時間をかけ、PUへの変更も必要となった。だが、昨年のホンダと同様にパワフルなPUを搭載でき、性能レベルには変化がないものと思う」

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