減量調整は「合わない」 中田翔、体重20キロ増で溢れる自信「今までとレベル違う」

巨人・中田翔【写真:荒川祐史】

今春キャンプは体重20キロ増の112キロ、急激な体重増が話題も「動きにくさもない」

巨人・中田翔内野手が完全復活を予感される春季キャンプを送っている。このほどFull-Count編集部のインタビューに応じ、オフ期間から話題になっている体重増量について激白。自己最高級の仕上がりを強調し、今季中の復活への手応えも口にした。日本ハム・清宮幸太郎内野手が新庄剛志ビッグボスの指令もあって大幅に減量したが、中田は自身の減量による失敗談を打ち明けた。

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フルスイングの必要もない。中田のバットから響く凄まじい破壊音。復活へ確かな手応えを感じ取っている。

「楽しくできているし、いい練習が出来ていると思います。現時点で『コンディションはどうなんだ』と言われれば、まだまだ。まだ体の張りを感じながら打撃をしている状態なので。その張りが抜けた時に、もっと良くなると思う。そこからが本当に楽しみ。この時期では今までとレベルが違う。2年前と同じぐらいじゃないですか」

若手有望株の秋広優人らと行った自主トレでは、徹底した下半身強化に米を1日20合を炊く食トレ。昨季中に一時92キロにまで落ちた体重を112キロにまで増量させた。急激な体重増は周囲を心配させたが、当の本人はどこ吹く風だ。

「戻っただけだから。日本ハムの時を見ている人は、去年を見た時に『めっちゃ痩せてるやん』と思ったはず。ただ、それだけのこと。去年からはだいぶ大きくなっていると思うけど、苦しさも感じていないし、動きにくさもない。やっと体が戻ったよね、と。日本ハムの時から、この体型でやっているわけだから」

「元々、100キロしかない体重を110キロにしたら、えらいことになるかもしれないけど。2年前は110キロ以上、それ以上、体重があったかもしれない。今は自主トレの時のように量を食べていないけど、体重をずっとキープしている。110から112キロの間をキープできている」

コンディションがいいからこその体重増だ。昨季はキャンプ中から「ずっと腰に不安を抱えていた」。無理して調整を進めたが、6月8日の阪神戦(札幌ドーム)でアクシデントが起きた。一塁へ全力疾走した際にグラウンドへ倒れ込む。自ら起き上がることができず、そのまま担架に乗せられた。減量を余儀なくされる負傷。だが、この減量が長距離砲から打球の飛距離を奪っていった。

打撃練習に臨む巨人・中田翔【写真:荒川祐史】

日本ハム清宮は9キロ減量、中田の減量調整は「打球が全く飛ばなくなった」

「キャンプ中からしっかり動けるコンディションではなかった。札幌ドームで立てなくなってから2軍で体重を落として。(2軍調整中に)8、9キロ落としたかな。その後も4キロぐらい落ちて。そしたら(打球が)全く飛ばなくなった。フリー打撃をしていても全く面白くなかったね」

日本ハムの清宮幸太郎内野手は新庄剛志ビッグボスの指令を受けて9キロ減量。対照的な調整方法はファンの間でも大きな話題となった。減量によって体のキレを出す調整法だが、中田にはいい思い出はないようだ。

「意図的に体重を10キロ近く落として、シーズンに入ろうとしたこともあるけど、全部がうまくいかなかった。僕には減量は合わなかった。打球が全く飛ばなくなった経験をしているから。確かに体にキレはあるし、走れる。そういう意味ではいいかもしれないけど、体重を落として挑んだシーズンで成功したことはないね」

昨季途中まで広い札幌ドームを本拠地としながら通算264本塁打をかっ飛ばしてきた。「去年買って着ていた服はジャストサイズになってきた」と明かす表情にも自信がみなぎっている。

昨季は一塁は中島宏之が41試合先発。途中加入の中田は27先発で、ウィーラーが24先発だった。熾烈なポジション争いを勝ち抜く覚悟だ。

「ウィーラーにしてもナカジさんにしても、今までパ・リーグで見てきた2人。本当に楽しくできてます。ただ試合に出られるのは1人なので。気を引き締めてやっていかないといけない。すごい選手2人なので、もっともっと頑張らないといけない気持ちになってます」

新天地で受ける刺激も復活への活力。2022年を再出発の一年とする。(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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