「黒い雨」被爆体験者の救済 長崎市と県、厚労相に直接要請調整

 広島原爆の「黒い雨」被害者救済を巡る被爆者認定指針の改正で、厚生労働省が国の指定地域外で長崎原爆に遭った被爆体験者を対象外としたことについて、長崎市の田上富久市長は14日の会見で、救済に向けて後藤茂之厚労相らに直接要請することを県と調整していることを明らかにした。
 指針改正で厚労省は、対象を広島原爆の黒い雨に遭った人に限り、被爆体験者は含めない方針。県市は長崎でも「黒い雨や灰が降った」と主張するが、同省は認めていない。
 市によると、厚労省に直接要望に行くことを申し入れたところ、国会対応や新型コロナウイルスの感染状況を理由に「担当課であれば対応可能」と、今月回答があったという。田上市長は「担当課レベルではなく、大臣など、きちんと判断できる人に要望したいと考えている」と述べた。


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