茨城県内で開業相次ぐ グランピング市場拡大 豊かな自然に熱視線

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3月半ばの開業を目指し整備が進む「グランピングヒルズ アウラテラス茨城」=土浦市東城寺

新型コロナウイルスの感染拡大で密を避けた屋外レジャーの人気が高まる中、充実したキャンプが気軽に楽しめる「グランピング」へ熱い視線が注がれている。ホテルや旅館に比べ事業者も参入しやすいなど、市場規模は拡大傾向にある。特に茨城県は首都圏からのアクセスの良さに加え、海や山など豊かな自然環境に恵まれていることも追い風となり新施設開業が相次ぐ。

■茨城県の強み
土浦市東城寺の山あい。かつて民間の観光施設「ゆう・もあ村」があった約2万7千平方メートルに木造のキャビンやデッキ、ドーム型テントなど計15棟の客室が姿を見せ始めた。

施設は「グランピングヒルズ アウラテラス茨城」。県産品を使ったバーベキューや各棟に備える温泉などが楽しめる通年型リゾート施設として、関西圏を中心にグランピング施設やリゾートマンション、食品スーパーなどを展開する「にしがき」(京都府)が3月半ばの開業を目指し整備を進めている。

「春はサクラ、秋は紅葉が美しく、どの棟からも豊かな自然を眺めることができる」。同社に立地場所を仲介したサンヨーホーム(牛久市)の斉藤美和専務は、茨城県の強みでもある自然環境に胸を張る。

■海も、山も
新型コロナの感染が拡大して以降、県内では山間部や沿岸部などを中心に、自然を生かしたグランピング施設の開業が相次いでいる。

2020年には笠間市の愛宕山に市の公共施設を改修した公民連携施設がお目見えしたほか、にしがきも土浦の施設に続き、小美玉市内で新施設を開業する計画。同社の西垣俊平社長は「東京から近く、一定規模の土地も確保できる」と、茨城県立地の利点を話す。

沿岸部でも、ひたちなか市で阿字ケ浦海岸を一望するプール付き施設が21年に開業。18年から北茨城市内でグランピング施設を運営するメイズムランド(同市)も今春、大洗町の大洗サンビーチを臨む場所に開業を予定している。

■1兆円規模
コロナ禍の人流抑制に伴い観光需要が低迷する半面、キャンプなど屋外レジャーへの注目は集まる。特に、グランピングは施設ごとに個別スペースが確保され感染防止対策が取りやすい上、ホテルや旅館と比べ接客機会や設備投資が抑えられることから、参入しやすい事情もあるようだ。

情報提供や魅力発信へ向け、20年7月に発足した「全国グランピング協会」は、国内のグランピング関連市場が現在、600億~800億円と試算。金森正高代表理事は「リゾートホテルや旅館とパイの奪い合いをしている状況で、潜在的なマーケットは1兆円を超える」と、さらなる市場成長の可能性を指摘する。

県も事業者からの相談に応じるなど「宿泊観光の促進」(県観光物産課)を目指したマッチング支援を進める。感染拡大以降、キャンプやグランピング施設の開業に対する相談も多いといい、同課は「県産品の消費にもつながるので、積極的に対応したい」と期待を込めている。