横浜初の「地酒」発売、4千本限定 爽やかな米の味わい堪能

「天青 横浜魂」(熊澤酒造提供)

 横浜市戸塚区の水田で育てた酒米を使った日本酒がこのほど完成し、16日から限定販売される。市によると、市内産酒米を100%使った「地酒」は初めて。市の担当者は、「日本酒や市内産米を消費してもらい、横浜の米作りを応援してほしい」と話している。

 酒米を生産したのは同区東俣野町の農業川戸吉隆さん(45)ら。米の販売価格が下落する中、高値で売れる酒米作りに着目した。折しも、蔵元の熊澤酒造(茅ケ崎市)が全量地元産の酒造りを模索していたことから、横浜市が水田保全策として橋渡し役を担ったほか、「横浜みどり税」を活用して種もみ購入代を補助するなど支援したという。

 川戸さんは2020年度から酒米の試験栽培を開始。21年度には賛同する生産者が増えたことから、仕込みに必要な量の酒米を収穫できるようになった。

 同酒造で精米歩合60%の純米酒として仕込み、同蔵の銘柄「天青」シリーズの「横濱魂」と名付けた。杜氏(とうじ)の五十嵐哲朗さんは「爽やかな印象で米の味わいが感じられる」とコメント。川戸さんは「横浜産の米や野菜に関心が広がってほしい」と期待する。

 約4千本限定で1本(720ミリリットル)1650円。市内の酒店7店舗(三河屋、元町愛知屋、2416MARKET CAVE、横浜君嶋屋、吉祥、リカーショップ松本屋、つるや)で扱う。販売開始日は店舗で異なる。

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