二遊間を補強したレンジャーズ カイナーファレファはトレード要員?

主に移籍情報を扱う「MLBトレード・ルーマーズ」は、ロックアウト終了後にトレードされる可能性のある27人を紹介する特集記事を公開した。そのうちの1人がレンジャーズの正遊撃手アイザイア・カイナーファレファ。今オフ、レンジャーズはマーカス・セミエンとコリー・シーガーを獲得して二遊間を補強しており、三塁には有望株ジョシュ・ヤングの昇格が控えている。よって、カイナーファレファは内野のユーティリティに回らざるを得ない状況であり、安価な遊撃手を求める球団へトレードされる可能性があるというわけだ。

カイナーファレファはハワイ出身の26歳。2018年4月にメジャーデビューしてサービスタイムは4年に達しており、2023年シーズン終了後にFAとなる予定だ。年俸調停期間2年目のシーズンとなる2022年の年俸は490万ドル前後と予想されている。

メジャー2年目までは捕手と内野手を兼任するユーティリティとして起用されていたが、短縮シーズンとなった2020年は正三塁手に定着。レギュラー1年目でゴールドグラブ賞を受賞した。昨季は遊撃にコンバートされ、自己最多の158試合に出場して打率.271、8本塁打、53打点、20盗塁、OPS.670を記録。遊撃守備では19失策を喫したが、守備防御点+10をマークするなど、三塁から遊撃に移っても好守は健在だった。

決してスター選手ではないものの、安定した守備力を持つ正遊撃手として堅実な働きを期待できる選手であり、カルロス・コレアやトレバー・ストーリーといった高額な遊撃手を獲得したくない球団にとっては魅力的な補強ターゲットと言える。

「MLBトレード・ルーマーズ」は有望株アンソニー・ボルピーが昇格するまでのつなぎ役を探しているヤンキースのほか、正遊撃手不在のエンゼルスやツインズ、コレアの後釜を探しているアストロズ、拙守のディディ・グレゴリアスからのグレードアップを目指すフィリーズを獲得候補に挙げている。また、正二塁手不在のホワイトソックスや二塁と三塁に不安を抱えるブルージェイズが獲得に動く可能性も指摘した。

投手補強が最優先で遊撃手に補強資金を回す余裕のないエンゼルスにとって、カイナーファレファは格好の補強ターゲットだ。現時点ではタイラー・ウェイド、ジャック・メイフィールド、アンドリュー・ベラスケス、ルイス・レンヒーフォらに正遊撃手の座を争わせるしかない状況。カイナーファレファを獲得できれば、正遊撃手を固定できるだけでなく、昨季のホゼ・イグレシアスと比較して守備力の面でも大幅なグレードアップとなり、投手陣の大きな助けとなるだろう。

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