中日根尾、開幕スタメンは昨季より厳しい? 外野争いは大渋滞…打撃の覚醒期待

中日・根尾昂【写真:小西亮】

“チーム1号”の三好や“秘蔵っ子”岡林、大ベテラン福留も調整順調

中日の根尾昂内野手が、試練の定位置争いに突入していく。16日の日本ハムとの練習試合(北谷)から対外試合がスタート。オープン戦にかけて、空席となっている両翼のポジション争いが激化する。昨季は左翼で開幕スタメンを掴んだが、今季は様相が一変。課題の打撃でいかにアピールできるかがカギとなってくる。

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遊撃への思いを封印し、外野一本で勝負する今季。バットで存在感を見せ続けた昨春のキャンプのように、今季も猪突猛進で開幕まで突き進みたい。レギュラーが確定しているのは中堅の大島洋平外野手だけで、左翼と右翼は空席。2枠の争いは、“候補者多数”で大渋滞を起こしている。

現時点で目立っているのは、24歳の三好大倫外野手と19歳の岡林勇希外野手。三好は11日の紅白戦で“チーム1号”。岡林は、昨春のキャンプで臨時コーチを務めた立浪和義監督が熱心に指導した“秘蔵っ子”的存在でもある。16日のスタメンについて報道陣から「1番は三好? 岡林?」と問われた指揮官は「どっちかにします。どっちかにしますよ」と笑いながら応じた。

新戦力も生きがいい。ドラフト2位ルーキーの鵜飼航丞外野手(駒大)が、早くも思い切りの良さとバットに当たった時の飛距離を惜しげもなく見せている。立浪監督も「あれだけのスイングあるわけですからね」と目を見張る。昨季12球団ワーストの69本塁打と苦しんだチームにとっては、貴重な長距離砲で、岡林や根尾と差をつける魅力でもある。

中日・根尾昂を見つめる立浪和義監督【写真:小西亮】

中村ノリ打撃コーチからマンツーマン指導で打撃開眼へ

さらに、ライバルは若手だけじゃない。昨季は2軍スタートだった現役最年長の福留孝介外野手が、順調ぶりを見せている。今年4月に45歳を迎えるとはいえ、百戦錬磨の経験と勝負強さは群を抜く。他球団のスコアラーも「打てるし、守れる。監督の起用方針もあるが、開幕戦のライトに福留が立っていても、全然おかしくない」と言う。その他にも、アリエル・マルティネス捕手ら打力優先で外野の争いに参戦している面々は多い。

強肩では外野のメンバー随一を誇る根尾だが、やはり打ってなんぼの世界。ライバルたちの存在をかき消すだけの快音が欠かせない。周囲の期待は言わずもがな。連日、中村紀洋打撃コーチがあの手この手で成長を促している。15日には、スイングの際に脇が開かないよう両腕にゴムバンドを巻いて練習。打撃開眼へ、とにかく振り込んでいる。

もちろん、1軍の北谷キャンプにいるメンバーだけがライバルというわけではない。2軍の読谷キャンプでは、昨季に異型狭心症を発症した平田良介外野手らが虎視淡々と調整を進めている。“最激戦区”の2人に食い込めるのか――。たとえ後方からのスタートでも、まだキャンプ。まずは3月25日の開幕まで、試練を乗り越え続ける。(小西亮 / Ryo Konishi)

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